人類は飢餓を克服できるか

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いまや地球上に生息する人間の数は70億人、そのうち10億人は厳しい飢餓に直面している。急速な人口の増大に、世界規模での食糧生産が追いつかない、中国やインドなどの発展途上国が豊かになるのと比例して、そうした国や地域で飽食の習慣が広がっている、等々様々な原因が指摘されている。要するに食糧をめぐる需給のバランスが適正にコントロールされていないわけだ。

地球上の人口はますます増加の傾向をたどり、今の趨勢がそのままに続けば、21世紀の半ば頃には90億人を超えると予測される。したがって食料需給が適正にコントロールできなければ、飢餓人口はいっそう増えるだろう、あるいは食料不足がネックとなって人口増加がとまる事態も考えられる。どちらにしても、需給バランスにとって決定的なことは、持続可能な食料増産システムの開発だ。

そのためには、地球規模での食料生産システムを計画的に立ち上げることが必要だ。従来のような土地に密着した生産システムだけでは、増加する食料需要はまかなえないだろう。また、今のように食料が投機の対象になることを放置していては、適正な需給バランスは実現できない。

人工地盤を活用した食糧生産システムを確立するなど、食糧増産の技術的条件を整備すると共に、農業従事者が安心して食糧生産に励むことができるよう、農業をめぐる組織的あるいは政治的条件を整えることも課題となる。

いずれにせよこれからは、豊かな先進国は農業を軽視し、必要な食料は農業生産国から金で買うといった生き方は次第に許されなくなっていくだろう。


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