韓流バブルという言葉が流通するほど、韓国文化の日本への浸透ぶりには目を見張るものがある。先日東京お台場のフジテレビ前で「韓流ゴリオシやめろ」と叫ぶ「反韓流デモ」が数千人規模で行われたという記事を読んだりすると、いかに韓流バブルに勢いがあるか思い知らされるというものだ。
日本で韓流が支持されるようになったきっかけは、数年前に大流行したメロドラマ「冬のソナタ」だ。その時は、日本中の中高年女性たちが、主演俳優のペ・ヨンジュンさんに夢中になった。日本人が忘れかけていた純愛を、思い出させてくれたからだ。
いまでも中年女性たちは韓流ドラマを強く支持しているが、それ以上に支持されているのがK-POPと云われるアイドルグループだ。彼らが日本の若い人たちに支持されることによって、韓流文化の日本での定着は根の深いものになったといえる。
ニューズウィークの最新号が、そんな韓流バブル現象を分析しているが、韓流のブームがバブルとなってはじけるまでに至ったのは、つい最近のことらしい。それを引っ張ったのはやはり、KARAや少女時代などのK-POP熱だという。
K-POPが日本の若者に支持されるわけは、彼らの歌唱力とキレのあるダンスが日本のアイドルにはない迫力を持っていることにある。「鍛え上げられた脚線美や腹筋も、ジャニーズやAKB48のメンバーは持ちあわせていない。韓流アイドルのレベルの高さは日本人を開眼させた(ニューズウィーク日本版)」ということのようだ。
優れた韓流アイドルをリクルートして育成するのに、韓国の芸能プロダクションは組織的・計画的に取り組んでいるそうだ。物になりそうな子供が、小さな頃から訓練され、アイドルユニットの一員として売り出される。韓国のK-POPはアイドルユニットと呼ばれるグループが支えているのだ。
その背景にはやはり、韓国の国力の強化という事情がある。この強化された国力を背景に、韓国はさまざまな製品を世界中に売り込むようになったが、アイドルもその一つと云うわけだ。だから韓国政府も、韓流アイドルの輸出を重視している。
それにしても、世界中を見渡して日本ほど韓流に惚れ込んでいる国はないかもしれない。フジテレビ前でデモをした人々は、そんな事態に嫉妬したのかもしれない。
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