最後の歌(Dernier Poeme)ロベール・デスノス

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ロベール・デスノスの辞世の詩「最後の歌(Dernier Poeme)」(壺齋散人訳)

  僕はこんなにも君を夢見ながら
  こんなにも歩き回り 
  こんなにもおしゃべりをし
  こんなにも君の面影を追ったために

  僕に残されたのは君だけになった

  僕はもはやただの幻にすぎないけれど
  普通の幻より百倍も幻らしい幻となって
  君の輝かしい人生の中に何度も甦ることだろう

ナチスの強制収容所で、死ぬ直前に恋人ユキに向けて書いた詩だとされる。デスノスは、この届くあてのない詩を、自分の人生の総括として書いた。

この詩を日本語に訳し換えながら、筆者のような老人でも、何度も感動せずにはいられなかった。


Dernier Poeme

  J'ai rêvé tellement fort de toi,
  J'ai tellement marché, tellement parlé,
  Tellement aimé ton ombre,
  Qu'il ne me reste plus rien de toi.

  Il me reste d'être l'ombre parmi les ombres
  D'être cent fois plus ombre que l'ombre
  D'être l'ombre qui viendra et reviendra dans ta vie ensoleillée


関連サイト:フランス文学と詩の世界 ロベール・デスノス





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