ソウル滞在記 その一

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横、今の二子とは一昨年に上海、昨年には北京に旅を共にせり。今年は杭州など江南を旅せんと誘ひしが、長期の休暇とりがたしとて実現せず、余単身にして旅行せり。その後年も押し迫る頃になりて彼ら短期の休暇ならば取得すべしと申し越せしかば、ともにソウルに旅せんと欲す。

余いまだ韓国に旅せしことなし。韓国は日本に最も近き国にして、文化的にも歴史的にも深き因縁あり。言語などは兄弟語といひても差し支へなきほど共通するところあり。その割に余の韓国を理解すること中国を理解するにも及ばざるを恥ず。それ故こたびは韓国理解の端緒としてソウルを訪問せんと思ひ至りしなり。

前回(江南)と同じ旅行会社(HIS)に依頼し、現地ガイド及び食事つき三泊四日のツアーコースを選択す。費用は一人当たり四万五千円ほどなり。江南旅行に比して割高なるは、韓国の物価水準中国よりも高きが故なり。しかもホテルの格、食事の内容とも江南がはるかに勝れるを如何せん。

さはされど、日頃懇意のものと気楽に旅することを得て、聊か命の延びる思ひをなせり。また韓国文化にかかる余の理解も聊か進みたりといふべし。

以下、旅の印象を記して他日の忘却に備へんとす。名付けて「ソウル滞在記」となす。

 十二月十日(土)陰。午後四時半頃成田空港第二ビル三階の日航カウンターに到り、横、今の二子と落ち合ふ。しかしてチェックインを済ませ、喫茶店に小憩して後、午後六時過ぎに搭乗す。飛行機は午後六時四〇分発JL九五九便なり。

滑走路混雑のため午後七時三〇分頃離陸す。ややして食事の供応あり。缶ビールを飲みつつ食ひたり。

午後十時、仁川空港に着陸す。韓国は日本と時差あらざる故、時計の針を動かす必要もなし。両国が時差を同じくするは、日韓併合時代の名残ならんか。

出発ロビーに到れば現地案内人出迎へに来りてあり。金景朱(キムキョンス)といひて、三十代半ばほどの冷静なる雰囲気の男なり。彼に案内せられてマイクロバスに乗り込みぬ。

同行の者を確認するに。我らのほか三組あり。もっともその者等とは、一組を除いて翌日以降行動を共にすることあらず。

ホテルに到着せしは深更十二時頃なり。ヴィクトリア・ホテルといひて、ソウル市北部にあり。都心からは地下鉄にて二十分ほどの距離なるべし。

本館ロビーにてチェックインしたる後、別館の客室に案内せらる。マンションを思はせるつくりにて、高級感はあらざれど、部屋はそこそこに広く、床はオンドル式なり。

シャワーを浴びて後、日本より持参せるウィスキーを水割りにして飲み、午前二時頃床に入る。





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このページは、が2011年12月16日 18:53に書いたブログ記事です。

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