ホッキョクグマは春先に交尾をし、冬の最中に出産するのが普通なので、母親は氷の中に穴を掘って小さな空間を作り、そこに子供を産む。一時に複数の子どもが生まれ、彼らあるいは彼女らは、このように小部屋の中で身を寄り添いあって、春の訪れを待つわけだ。
ホッキョクグマは体長がオスで3メートル、メスで2.5メートルと、肉食動物の中では最も大きい部類に属するが、生まれてきたときにはわずか600グラムほどしかない。小さく生んで大きく育てるということだろう。クマの冬眠の習性とも関係があるのかもしれない。
コグマが自立するまでには2年以上かかる。その間コグマは母熊と行動をともにし、生きるための知恵を身に着けていく。