2012年2月アーカイブ

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昨日(2月28日)、福島原発事故の原因や問題点などを検討してきた民間の事故調査委員会「福島原発事故独立検証委員会」(北沢宏一委員長)の調査結果が公表された。先日は、政府事故調による調査の中間結果が発表されたところだが、これは独立の立場から事故を検証することで、より広い見地からの原因究明と今後の事故対策に役立てることを目的にしたものだ。

蘇軾は元豊八年(1,085)末に礼部郎中として召喚されるや、翌年早々には中書舎人となり、九月には翰林学士にスピード出世した。翰林学士とは詔勅の起草を担当する役職で、皇帝に最も近い位置にある要職である。

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写真にある蛙は、英語でBig-eyed Tree FrogとかPeacock Tree Frogとか呼ばれている種だ。日本語での正式な名称がないようなので、とりあえず「でか目蛙」と呼んでおく。

1941年12月8日に始まり1945年8月15日の日本の全面降伏で終わったあの壮大な戦争を、歴史学者の吉田裕は「アジア・太平洋戦争」と呼んでいる(「アジア・太平洋戦争」(岩波新書))。戦争の最中、当事者である日本の指導者たちが使った大東亜戦争という言い方は、あまりにもイデオロギー的だし、かといって歴史学者の間でよく使われている太平洋戦争という言葉では、この戦争の規模がカバーしきれない。この戦争は、太平洋の島々にとどまらず、北は満州から南は東南アジアのほぼ全域をカバーする壮大な戦争だったのだ。

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NHKスペシャル「ヒューマン 何故人間になれたのか」第4集は「そしてお金が生まれた」と題して、人類にとってお金がどのようにして生まれたのか、そしてそれが経済と都市と云う人間の新しい生活形態をどのようにして形成したのかについて、壮大な展望を描いている。

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ヒエロノムス・ボス(Hieronymus Bosch)は1450年ごろに生まれ、1516年に死んだということになっているから、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)とほぼ同じ、というか全くの時代人である。ボスはネーデルラント、ダ・ヴィンチはイタリアで生きたわけだが、彼らの住んでいた世界が異なっていたように、彼らの芸術もまた殆ど似たところがない。

アメリカの金融危機やEUの債務危機に直面して、今まで大繁栄を誇っていた新古典派経済学が評判を落し、一時は青息吐息の状態だったケインズ経済学が見直されるようになったが、どうも、そのケインズ経済学でも、今起きている事態、とりわけ日本の長期不況のような現象を説明できていない、説明できないから不況脱出に向けての的確な処方箋も書けない。いったいどうなっているのかね、というのが筆者のような経済学音痴の正直な感想だった。

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アメリカ映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(Extremely Loud and Incredibly Close)」を見た。9.11に父親を失った少年の癒しがたい心の傷を描いた作品だ。

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マーシャ・ゲッセン(Masha Gessen)女史によるプーチンの伝記「顔のない男」の一部がNewsweekの最新号で紹介されている。プーチンの素顔が良く出ていて、興味深く読んだ。

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キャリバン(Caliban)はシェイクスピアが創造したキャラクターのなかでも最もユニークなものだ。登場人物のリストの中で、彼は「野蛮で奇形の奴隷」というふうに紹介されている。つまり人間の形をしているのではなく、グロテスクな形をした怪物のイメージで包まれているのである。

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人間、加齢によって様々な不都合が起きてくるのは、自然の摂理というべきもので、逆らいようがない。誰もがそれを、老化の必然的な結果として受け止めている。年をとれば体力は衰えるし、風邪にもかかりやすくなる、若者のような勢いはないから、一旦風邪にかかったら肺炎になる可能性も高い、年をとって肺炎になれば、死ぬ確率も飛躍的に高まるというものだ。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「キリギリス(La Sauterelle)」(壺齋散人訳)

  ジャンプ ジャンプ キリギリス
  だって今日は木曜日ですよ
  ジャンプしますとキリギリスはいった
  木曜日から土曜日へ一足飛びに

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戦争をテーマに命をかけてきた女性ジャーナリストのマリー・コルヴィン(Marie Colvin)と、駆け出しの戦争ジャーナリスト、レミ・オシュリク(Rémi Ochlik)が、昨日(2月22日)、シリアのホムズで、政府軍側の攻撃によって殺害された。

村上春樹にとって、走ることは書くこととパラレルの関係にあるものらしい。とくにマラソンは長編小説を書くこととよく似ているという。マラソンも長編小説も、彼にとっては特別な意味での肉体労働なのだ。「長編小説を書くという作業は、根本的には肉体労働であると僕は認識している。文章を書くこと自体はたぶん頭脳労働だ。しかし一冊のまとまった本を書き上げることは、むしろ肉体労働に近い」

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日米欧の先進諸国でちょっとした金融バブルというべき状況が生じている。株価の上昇や国債価格の下げ止まりといった事態だ。このことの背景には、各国で行われている超金融緩和がある。その中に、アメリカ連邦準備制度によるインフレ・ターゲットの表明、それに促された日銀のインフレ誘導政策があることはいうまでもない。

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重慶市副市長兼公安局長の王立軍(Wang Lijun)が一時成都市にあるアメリカ領事館に政治亡命を求めたとされる事件を巡って、いま中国のネット世論が大フィーバーを起こしているという。

元豊8年10月、登州の知事に着任した蘇軾は、在任わずか5日にして礼部郎中として召喚された。その故蘇軾は、かねてみたいと思っていた登州の名物海市(蜃気楼)が見られないかもしれぬと、一旦はあきらめかけた。

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NHKスペシャル「ヒューマン 何故人間になれたのか」第3集は「大地に種をまいたとき」と題して、人類にとっての農耕の始まりを取り上げていた。我々の祖先は今から1万2千年前に初めて小麦の種を植えることを覚え、それをきっかけにして、狩猟採集の生活から農耕の生活へと飛躍した、という内容だ。

加藤陽子著「満州事変から日中戦争」を読んだ。岩波新書の日本近現代史シリーズのうちの一冊だ。この本で著者の加藤洋子氏は、満州事変から日中戦争にかけて石原莞爾という一軍人が果した役割に注目している。

毛里和子著「中国とソ連」を読んだ。書かれた時点は1989年の初めごろで、中国では天安門事件が起きる直前、ソ連ではゴルバチョフのペレストロイカが始まった頃だから、今日の状況とは隔日の感があるが、中露関係を歴史的な視点で見る上では参考になる。

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嵐の海と呼ばれるこの絵はブリューゲル最後の作品だろうといわれている。作品の完成度が低いのは、恐らく時間ぎれとなってしまった結果ではないか。

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宇宙が単に膨張しているだけではなく、加速度的に膨張していることが立証されたのは1998年のこと、その功績を評価されて、アメリカのソール・パールマッターとアダム・リース、オーストラリアのブライアン・シュミットの三氏が昨年(2011)のノーベル物理学賞を受賞した。

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接吻しあっているのはゾウアザラシの子どもたち。恐らく兄弟と思われるこの二頭は、親に捨てられたところを人間に保護されたという。ゾウアザラシの子どもはホオジロザメの大好物というから、そのままだったら今頃は食われていたかもしれない。

「テンペスト」はシェイクスピアの最後を飾るに相応しい作品といってもよい。幻想的な雰囲気は「真夏の夜の夢」を、また冒頭の嵐のシーンは「十二夜」を連想させ、しかも完成度が高い。主人公のプロスぺロが敵に復讐して王権を回復するところは一連の歴史劇を思わせる。悲劇を別にすれば、それまでのシェイクスピア劇を特徴づけていたものが、濃縮された形で再現されている。その意味でこの作品はシェイクスピア劇の集大成と位置付けることもできる。

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能「天鼓」は、権力者によって引き裂かれた父子の情愛をきめ細やかに描いた作品である。舞台は後漢の時代の中国ということになっているが、漢籍にはこの話の典拠となるようなものは見当たらず、日本人による創作だと思われる。世阿弥の作だとされたこともあるが、内容や形式からみてその可能性はないとみてよい。だが古い能ではあったらしい。

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「いわし(La Sardine)」(壺齋散人訳)

  ロワイアンのいわしが
  ジロンド川で泳いでた
  空は大きく 地球は丸い
  僕もロワイアンで泳ぎたい
  いわしと一緒に
  ジロンド川で
  海軍万歳
  皆さんこんにちは

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エジプトの芸術家たちは、ムバラク政権下の時代にあっても、あまりハッピーとはいえなかったが、ムバラクが去ってイスラム原理主義者たちが影響力をもつようになると、もっとアンハッピーになるのではないか。Newsweek 最新号に、そんな懸念を表明する小文が載った。Egypt's Artists Fear Censorship by Islamists By Ty McCormick

「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」という変わった題名のインタヴュー集は、色々な角度から村上春樹と云う作家の創作姿勢を垣間見せてくれる。個々の作品を深く理解するうえで参考になることもある。

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オーストラリアのグレートバリア・リーフで、サメがサメを丸呑みしているシーンが撮影された。上の写真(ナショナル・ジオグラフィック)がそれで、アラフラオオセ(Carpet Shark)がイヌザメ(Bamboo Shark)を呑み込んでいるところ。

蘇軾の七言絶句「王寂に贈る」(壺齋散人注)

  與君暫別不須嗟  君と暫く別る 嗟するを須ひず
  俯仰歸來鬢未華  俯仰のうちに歸來せん 鬢未だ華ならざるに
  記取江南煙雨裏  記取す 江南煙雨の裏
  靑山斷處是君家  靑山斷ゆる處 是れ君が家

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太陽系から2万6000光年離れた銀河の中心のいて座A付近には、巨大ブラックホールがあることがわかっている。そのブラックホールが自分の重力を働かせて、周囲の構成から惑星をはぎ取り、それをのみこんでいる様子が次第に分かってきた。

2002年と2004年の二度にわたって、小泉純一郎・金正日の間でなされた日朝首脳会談とはいったい何だったのか。日朝間の歴史におけるその意味について、和田春樹氏が雑誌「世界」に小文を寄せている。(金正日氏と日朝国交正常化)

東京裁判については、筆者もそうだが、日本人の多くは両義的な感情を抱いているのではないか。一方では、敗戦国である日本を戦勝国であるアメリカ以下の国が裁いたという点で、極めて政治的な出来事だったのであり、法的な正義をそこに見出すことはできないと感じながら、もう一方では、日本を無謀な戦争に引きずり込み、国を破滅させたばかりか、自分ら国民をひどい目にあわせた戦争責任者たちも許せない、そういった感情も働くという具合なのではないか。

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うつ病は統合失調症(分裂病)とともに長らく心の病とされてきたが、じつはそれ以上に脳の器質的障害と関連していることがわかってきたという。なぜなら、従来の薬物療法では治らない深刻な病態が、脳の特定部分を物理的に刺激することで、劇的な改善につながることが明らかになったからだ。このことから、脳は心の病と云うより、脳の病気であるとする見方が強まってきた。そんな精神医学会の最近の事情を、NHK番組「ここまで来た!うつ病治療」が紹介していた。

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盲人たちに対すると同様、ブリューゲルは乞食たちも容赦ない目で観察して描いている。ブリューゲルの時代には、乞食たちは珍しい存在ではなかった。彼らは自分たちが乞食に陥らざるを得なかったそれぞれの事情に従って徒党を組み、お互いに助け合いながら生きていた。

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ロシア人の研究グループが南極の氷下湖の表面までドリルを貫通させたと表明した。その湖はロシアの南極基地近くにあるヴォストーク湖で、氷の表面から湖の表面まで深さが約3800メートルもある。

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NHKの特別報道番組「シリーズ東日本大震災"魚の町"は守れるか~ある信用金庫の200日」を見て、考えさせられた。地域経済の復興に取り組む気仙沼信用金庫の活動を描いたものだが、そこには経済にかんする金融機関の原点ともいえる姿があぶりだされていたからだ。

ウディ・ガスリー(Woody Guthrie)のアルバム「ダストボウル・バラッズ(Dustbowl Ballads)」から「俺は死なないぜ(Dust Can't Kill Me)」(壺齋散人による歌詞の日本語訳)

  あの砂嵐で子どもが死んだ
  でも俺は死なないぜ
  俺は死なない

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来るべき8月の共産党大会で、中国の新しい時代の指導者になることが確実視されている習近平、彼の経歴や政治スタンスについて、Newsweek 最新号の記事が紹介している。Xi who must be obeyed By Melinda Liu

シェイクスピアの劇「冬物語」は、レオンティーズの強烈な嫉妬から始まる。彼の嫉妬が、自分の妻子を破滅させ、自分自身をも絶望の淵に沈めることになる。この劇はそのような絶望的な状況がいかに形成されたか、そしてそれがどのように癒されたかについての、いわば死と再生のサイクルに類似した物語なのだ。

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ヨーロッパ諸国ではイスラモフォビアともいうべき反イスラム運動の広がりが問題になっているが、その裏面というか、イスラム社会でもクリストフォビア(Christophobia)というべき動きが広がっているという。それは時と場合によっては、過酷な宗教迫害となって、深刻な人権侵害、いやそれ以上に、暴力的な殲滅という様相さえ帯びるに至っている。その様子を、Newsweek 最新号のカバーストーリーが取り上げている。The Global War on Christians in the Muslim World By Ayaan Hirsi Ali

ロベール・デスノス「お利口さんのおとぎ歌」から「キリン(La Girafe)」(壺齋散人訳)

  キリンさんと風見鶏さんが
  南の風と東の風
  ひばりさんにご挨拶
  北の風と西の風

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生命の存在する可能性が高い系外惑星がまたひとつ見つかった。さそり座の方角に地球から20光年のところにあるM型赤色矮星のハビタブル・ゾーンを周回する惑星GJ 667Ccだ。岩石を主成分とすることから、水が存在する確率も高く、生命が存在する可能性は高いと研究者はみている。

村上春樹の小説「国境の南 太陽の西」は完璧な恋愛小説、それも男女間の切ない恋を描いた究極の恋愛小説だ。村上春樹にしては、男女の恋愛感情を正面から取り上げたこの作品は、「ノルウェーの森」以上にリアリスティックであり、したがって素直でわかりやすい。読者はこの作品を読むことを通じて自分自身の恋愛体験をもう一度追体験できるだろう。

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上の写真は24歳のマリリン・モンローを写したもの。ライフ誌が保存していた膨大な映像データの一部だ。おおらかで、まだあどけなさが残っている表情だが、そのあどけなさのゆえに、この写真はお蔵入りしたのだと思われる。

一年ちょっとぶりに大腸の内視鏡検査を受けた。前回初めて大腸内にポリープが二個みつかり、それをやはり内視鏡手術で除去してもらった後、担当の医師から1年過ぎたらフォローアップに来なさいと言われていたので、その言葉に従って再検査を受けた次第なのであった。

蘇軾の詞「漁父」(壺齋散人注)

  (其一)
  漁父飲 誰家去  漁父飲んで 誰が家にか去(ゆ)く
  魚蟹一時分付   魚蟹 一時に分付す
  酒無多少醉為期  酒は多少と無く 醉ふを期と為す
  彼此 不論錢數   彼此 錢の數を論ぜず

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正面から大アップで写ったこの顔の主は、サイチョウの兄弟分ジサイチョウ。サイチョウ同様頭にこぶがあり、角のように大きなくちばしをもつが、サイチョウが樹上生活を営んでいるのに対して、ジサイチョウは地上生活をする。英語で Ground Hornbill と呼ばれる所以だ。

半藤一利さんの著書「ソ連が満州に侵攻した夏」は、1945年8月9日にソ連が対日参戦して以降日本側が蒙った損害について概括的に記録している。半藤さんによれば、8月9日以降の僅かの期間に日本軍が蒙った戦死者の数は、ソ連情報局の特別声明をもとに約8万人と推定される。たった一週間でこれだけの人間が殺されたのだ。

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ブリューゲルは比較的初期の頃から、画面を埋める民衆の中に盲人の姿も忍び込ませてきた。かれらはこの絵にあるように、単独ではなく集団で行動する場合が多い。そんな彼らをブリューゲルは同情の目ではなく、突き放した目で観察している。

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3月4日の大統領選挙を1か月前にした2月4日(土)、反プーチン・デモが三たびモスクワのボロトナヤ広場を埋め尽くした。市警察当局の発表では3万6000人、主催者の発表では12万人が、凍るような寒さの中で、デモに参加した。

洗足池散策

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学生時代からの友人Yがくも膜下出血で倒れたというので、共通の友人O、Mの二子とともに大田区にある荏原病院まで見舞いに行った。東急池上線の洗足池駅でおりて、池の反対側の小さな流れに沿った道を歩く。この道は桜並木になっていて、四月の初旬には見事な光景が出現するはずだ。

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IQの低い人間ほど保守的イデオロギーを好み、偏見に毒されやすい。カナダ・オンタリオのブロック大学の研究チームがこんな仮説を発表したところ、ネット社会でちょっとした反響を巻き起こしているそうだ。

冬物語(Winter's Tale)は、シェイクスピアの作品の中でも極めてユニークなものだ。陰惨な悲劇と祝祭的な喜劇が、16年と云う歳月を間に挟んで、隣り合わせに展開する。悲劇と喜劇の両方の特徴を包み込み、しかもどちらともいえない。そこがこの劇をロマンス劇に分類させた要因だろう。

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地球から30万キロも離れた軌道を回っているNASAの太陽圏観測衛星IBEX(Interstellar Boundary Explorer)が、太陽系外からやってきた星間物質を始めて直接観察することに成功したそうだ。

ロベール・デスノスの「お利口さんのおとぎ歌」から「アリ(La Fourmi)」(壺齋散人訳)

  アリの身長が18メートルもあって
  頭に帽子をかぶってるなんて
  そんなことアリっこないさ

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中国では汚職や横領、麻薬取引などの経済犯罪に対しては厳罰をもって臨んでおり、死刑判決も珍しくはない。そうした犯罪は共産党の官僚や大金持ちによってなされるケースが殆どなので、一般の民衆が死刑判決を受けた人間に同情することは全くないといってよい。ところが最近、経済犯罪をもとに死刑判決を受けたある女性について、ネット世論が強烈な同情を示しているらしい。

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エズラ・パウンドは第二次世界大戦中にはイタリアに居住し、ムッソリーニに大いに共感したうえで、アメリカにはイタリアに敵対しないように呼びかけた。そのことで彼はファシストであると断罪され、イタリアの敗北後、祖国に対する反逆罪に問われて、12年以上も監獄にぶち込まれた。下獄したのちは再びイタリアに渡ったが、政治的な活動は一切つつしみ、沈黙を守りとおした。

「22歳の春にすみれは生まれてはじめて恋におちた」村上春樹の小説「スプートニクの恋人」は、こんな書き出しで始まる。すみれが恋に落ちた相手は17歳も年上の、しかも女性だった。すみれはそんな女性に対して強烈な性欲を感じたのだ。しかし不幸なことに、すみれが恋してしまった相手の女性はレズビアンではなかった。その女性はすみれに欲望を感じることはできなかったのだ。

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インド北西部の都市ジャイプールで2006年以来開かれてきた文学祭は、今では世界中の文学者の注目を集めるまでに成長したようだが、今年はちょっとした波乱に見まわれた。イスラム教徒から目の仇にされているイギリスの小説家で「悪魔の詩」の作者サルマン・ルシュディーが、不可思議な脅迫を受けて、この催しへの参加をキャンセルしたのだ。そのいきさつを、インドの人気作家ルシール・ジョシがNewsweekに寄稿した文章の中で明らかにしている。Salman Rushdie's Contentious Absence at India's Jaipur Festival By Ruchir Joshi

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ラヴロフの日本訪問に寄せて、プラウダが感情的な反応を見せている。ラヴロフがNHKとのインタビューの場で、南クリルの帰属問題について日本側に幻想を抱かせるような発言をしたのは、ロシアの国益に反することだ、ラヴロフは南クリルがロシアのものであることを断固として表明すべきだった、というものだ。

蘇軾の七言絶句「渓陰堂」(壺齋散人注)

  白水満時双鷺下  白水満る時 双鷺下る
  緑槐高処一蝉吟  緑槐高き処 一蝉吟ず
  酒醒門外三竿日  酒は醒む門外三竿の日
  臥看渓南十畝陰  臥して看る渓南十畝の陰



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