ボスの大作「悦楽の園」の一部をもとに、水彩画を描いて楽しんでみた。鳥たちとそれに乗っかった人間たちの群れに、白いワンピースを着た少女を組み合わせたものだが、大した意図があるわけでも無い。ただ無邪気なコーディネーションを楽しんでいるだけだ。
ボスと云う画家は、ヨーロッパの絵画の伝統の中では、どんな枠にもはまらないユニークな人だ。ユニークさは同じネーデルラントの後輩画家ブリューゲル以上だ。
ボスがユニークなのは、いままであまり注目されることのなかった中世文化を、彼が全身で表現するところからきている。それがヨーロッパの現代の美術家には、いかにも理解を超えたように思わせられるのだろう。
しかし我々のように、ヨーロッパ文化とはかかわりのない人間にとっては、ボスの絵は理屈を超えて楽しい。