野田首相、核安保サミットで「つまはじき」

| コメント(0) | トラックバック(0)

「野田首相、核安保サミットで<つまはじき>」これは日本のメディアではなく、中国の人民網のヘッドラインだ。ソウルで開催された格サミットに出席した野田総理大臣が、存在感を示せなかったことについて、心配してくれているというわけだ。

50か国が参加したこの歴史的なサミットにおいて、日本国の野田総理大臣が「存在感を示すには26日昼までにソウル入りする必要があったが、参院予算委員会の集中審議があったため同日の夕食会までキャンセルしていた。消費税増税法案の閣議決定に向け民主党の了承を取り付けるため、帰国も予定を3時間ほど繰り上げて27日夕に。オバマ米大統領が25日にソウル入りし、核の拡散防止に向け積極的に首脳外交をこなしているのとは対照的だ」と、人民網は憂慮している。

今回のサミットでは、北朝鮮の核開発への対応と、福島原発の検証が大きな議題になっていた。どちらも日本にとってクリティカルがイシューであり、日本がこうした問題について国の意思を示すことは当然のことと、国際社会に受け止められていた。それなのに野田日本国総理大臣は、世界中の指導者が集まったこの歴史的な会議の席上、何ら意義のある発言をしなかったばかりか、関係国のトップと会話することもしなかった。

人民網は、野田さんは日本国の議会対応に頭がいっぱいで、国際関係にまで気をつかう余裕がなかったのだろうと同情してくれてはいる。しかし、大国の政治的リーダーがこんな態度を示すのは、いくらなんでもお粗末なのでは、という言外のニュアンスも伝わってくる。

野田さんの頭をいっぱいにしているのは、いうまでもなく消費税増税をいかにしたらうまく実行できるかということだ。それはそれで、日本国と日本国民そして日本国総理大臣にとっては、大事なことに違いない。しかしそれだからといって、外交上の儀礼まで軽視して、国内問題にこだわるのは、政治家としてスケールが小さいと言わざるを得ない。それも、国民にとっては迷惑極まりないことについて、何らの合理的説明もせずに、それこそゴリオシ的に実施しようとしている。まともな人間にとっては、それは気違い沙汰としか映らない。

人民網の記事からは、こんなニュアンスが伝わってくる。中国のメディアもいよいよ国際的なレベルに近づいてきたということだろうか。






≪ 山口二郎「政権交代とは何だったのか」 | 日本の政治と社会 | 何が国民新党を分裂させたか ≫

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/3916

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2012年3月28日 20:54に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「杜甫のパロディーがネットで大ブーム」です。

次のブログ記事は「猫の町:1Q84」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。