スマトラ沖地震、原因は断層の横ずれ

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昨日(4月11日)の夕刻に起きたスマトラ西海岸沖地震は、マグニチュード8.6の本震のあと同8.2の余震が続き、津波の発生も予想されたので、筆者は関心を持ってニュースを追っていた。しかし地震による被害はそうたいしたことはなかったようであり、また津波の方も一部で1メートル程度のものが観測されたが、大した被害は起こらなかった模様だ。

スマトラ島の西海岸では、2004年にマグニチュード9.1の巨大地震が起きたあと、平均10メートルの巨大津波が発生して、広い沿岸域にわたり合計28万人の死者を出した。今回はそれほど大きな地震ではなかったわけだが、それにしても相当なエネルギーだ。それなのに、何故この程度で済んだか。

専門家の解説によれば、2004年の地震はプレートのつなぎ目がずれたことによって起きたもので、東日本大震災と同じメカニズムによるものだった。今回のものは、プレートのつなぎ目ではなく、それよりずっと沖合にある断層が横ずれして起きたもののようだ。それなので、エネルギーが大きかった割には、大きな津波にはならなかった、ということのようである。

通常は、こうした場所で起きる地震はせいぜいマグニチュード6台どまりで、今回のような規模は非常に珍しいという。何故こんな大きなエネルギーを持つに至ったか、また2004年、2005年、2007年と続いてきたプレート型地震とどんな関係があるのか、いまのところ研究中だということだ。

ともあれ、被害が大きくなかったのは幸いだった。2004年の時には非難が遅れたことで被害が拡大したことを踏まえ、地震、津波対策の充実が図られ、日本やアメリカの地震予知機関も、情報の提供に努めてきた。その情報に基づいて、現地の人々もいち早く非難する行動をとったということだ。(写真は高台に避難する人々:ナショナル・ジオグラフィックから)





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