宇宙についての重要な情報や映像を地球に送り続けてくれたハッブル宇宙望遠鏡も、あと2年ほどで運用が終了する。その後の後継機については、2018年のジェームズ・ウェッブ望遠鏡の打ち上げまで予定がない。ところが、ハッブル望遠鏡級のものが、まだ2台残っていることがわかり、NASAや世界中の研究者たちを興奮させた。
問題の望遠鏡は、米国立科学財団(The National Science Foundation)が国家偵察局(National Reconnaissance Office)のために作成したスパイ衛星だ。NROでは、更に性能のよいものを求めて、この二つを用済みとし、NASAに寄贈することを検討しているという。
スパイ衛星であるから、宇宙から地上を見るように作られていて、ハッブルのように地球の外側に広がる宇宙を見るようには作られていない。しかし一定の修正を加えれば、宇宙望遠鏡としての機能は十分に果たせるという。
機能的にはハッブルに劣らず、その割に軽量小型化しているので、打ち上げやメンテに要する費用は、ハッブルよりはるかに安くつく。それ故、目下低予算を強いられていて、なかなか第二弾を打ち上げられないでいるNASAにとっては、大いに魅力的な話だ。場合によっては、2018年よりずっと前倒しで、ハッブルの後継機を打ち上げできるかもしれない。(写真はハッブル宇宙望遠鏡:NASAから)
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