日本家族計画協会が、先週ショッキングな報告を発表した。16歳から49歳までの男女を対象にアンケート調査を実施したところ、最近一ケ月以上セックスしたことがない者が39.7パーセントもあったというのだ。結婚している男女でさえ、34.6パーセントもあるという。一月以上セックスしない者は、一年間セックスしない可能性も高いから、この数字は非常に深刻な意味を持っている。
セックスをしない男女の間には、子どもは生まれない。日本の女性の平均生涯出生数は今や1.26人という低さであり、この傾向が今後も続けば、日本社会は少子化などというなまやさしさを超えて、民族存亡の事態に直面するだろう。
しかし何故、日本人男女の間にかくも、セックスレスが進行しているのか。まずセックスそのものに対する嗜好性という面からとらえると、日本人のセックスへの満足度は29カ国中最低だったとの、シカゴ大学の調査結果がある。歴史的に培われた国民性もあるのか、日本人はセックスに喜びを感ずる度合いが低いのかもしれない。
デューレックスというコンドーム会社が2005年に行った調査によれば、日本人が1年間に使うコンドームの数は45で、対象とした41カ国中最低だった。全体の平均数は103だったというから、日本人の数字がいかに低いか、つまり日本人がいかにセックスから遠ざかっているか、別の角度から納得される。
日本人のセックスレスの原因は、そのライフスタイルに根ざしていると、日本家族計画協会では分析している。夫はワーカホリックで会社中心、妻は仕事と家事と子育てに疲れ果てて心身ともに消耗気味、ストレスは高まるばかりで、セックスを楽しむゆとりさえないというのだ。
性欲は人間の最も根源的な欲望であるから、セックスレスの現象が社会全体にはびこるのは、尋常なことではない。生きる喜びに乏しい社会が健全に発展する可能性は低い。
こんな日本と対照的なのがフランスだ。フランスも一時期少子化の兆しに悩んだことがあったが、今や女性の平均出生数が2人を上回るようになった。その背後には、フランス人の旺盛な性行動がある。
先日、フランスのさる調査機関が発表したところによれば、フランスの成人男女は、週に3回の割合でセックスを楽しんでいるそうだ。高齢の男女においても、性欲が衰えることはないという。
フランスの女性たちは、生涯にわたり、セックスを人生の不可欠の部分として大事にしている。その結果、フランスはヨーロッパ一の多産国になった。個人の幸福が、そのまま国の幸福となって結実したのだ。
これには週35時間労働制や、公立保育園の充実など、制度面のバックアップがあるのだと、ル・モンドの記者は分析している。長い労働時間から開放され、母親も子育てを一身に押し付けられることがないからこそ、安心して子どもを生めるし、セックスにも喜びを感じられるのだということらしい。
女性が産む子どもの数を云々して、物議をかもした日本の政治家がいた。その言いぐさが、お上意識剥き出しで、余りにもエゲツなく聞こえたからだろう。
この間抜けな政治家も、日本の男女がのびのびとセックスできる環境を語っていたなら、あるいは拍手喝采を受けたかもしれない。
(追記)上記の騒ぎを引き起こした当人は現役の厚生労働大臣だというから、この国も先が見えているというべきか。
関連リンク: 日々雑感
外部リンク: ル・モンド抄訳
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