日本はいまや世界一の長寿国だ。WHOの2006年版世界保健報告によれば、日本人の平均寿命は、女性86歳、男性79歳、総合で82歳、いづれの数字も国別順位で最高である。
したがって高齢の人も多い。厚生労働省によれば、昨年9月末日時点で100歳以上だった人は28395人にのぼった。現存する世界最高齢者は、福岡県に住む116歳の女性皆川ヨ子さんである。
このたびは男性の世界最高齢者にも日本人がなった。宮崎県都城に住む田鍋友時さんが、ギネスブックによって認定されたのである。それによれば、田辺さんは、今年1月24日付けで、111歳128日となり、世界の男性の中の最高齢者ということになる。
都城市長からギネスブックの認定証を手渡された田鍋さんは、報道陣から長生きの秘訣を聞かれて、アルコールを飲まないことだと答えた。田鍋さんはタバコもすわず、また、健康のためにと毎日牛乳を飲んでいるそうだ。
あとどれくらい生きてみたいかと訪ねられると、「死ぬのはいやだ」とだけ答えた。人間誰しも長生きしたいものだ。野暮な質問というほかはない。
長生きしたおかげで、田辺さんには25人の孫、51人のひ孫、3人の夜叉孫がいる。
111年前というと、明治39年(1896)、日露戦争に勝って、国運が上向いていた時だ。大正時代に青年期を過ごし、敗戦の年には既に49歳の中年となっていた。この激動の時代を、田鍋さんは一地方公務員として生きてきたという。
ところで、ウクライナには、田鍋さんより高齢だと主張する人がいるらしい。もと羊飼いだったヒルホリ・ネストルという男性で、今年の5月に116歳の誕生日を祝ったということだが、この人には出生年月日を裏付ける公の記録がなく、ギネスブックの認定するところとはならなかった。
諸外国のメディアの多くは、日本人の長寿の秘訣を、健康な食生活と助け合い精神豊かなコミュニティーの存在に求めている。
関連リンク: 日々雑感
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