2007年11月アーカイブ

プラトンはイオニアの自然哲学者たちのようには、自然に大きな関心を持つことがなかった。かれが自然を問題として取り上げるときには、つねにイデア、つまり理性的な存在者との関連のもとに考察する。自然はそれ自体では、自足し完結した存在ではなく、イデアの似姿としてのみ意義を持ちえたのである。

ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal から「前世」 La Vie antérieure を読む。(壺齋散人訳)

ボードレール詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal より「悪運」Le Guignon を読む。(壺齋山人訳)

ニンニクが健康によいことは古くから知られている。あの古代ギリシャ人も、オリンピックの競技に先立ち、たらふくニンニクを食っていたということだ。ところが、ニンニクの何が健康によいのか、これまであまり明らかではなかった。

陶淵明の詩から「雑詩其二:日月人を擲てて去る」を読む。

雑詩十二首は、陶淵明が折に触れて感慨を詠んだもので、秀作が多い。すべてが同じ時期のものではなく、大きく二つのグループに分けられる。

ロバート・バーンズ Robert Burns (1759-1796) は、スコットランドの民族の誇りといわれる詩人である。今でもスコットランド人にとって、単に「吟遊詩人」 The Bard といえばバーンズをさしているくらい、彼らの生活の中に溶け込んでいる。バーンズの誕生日には、世界中に散らばったスコットランド人が、バーンズ・サパーと呼ばれる料理(腸詰の一種)を食べ、Auld Lang Syne を歌う。建国記念日に準じた扱いを受けているのである。

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「古の吟遊詩人の声」 The Voice of the Ancient Bard (壺齋散人訳)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「スクール・ボーイ」 The School Boy (壺齋散人訳)

日本の食文化

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地球上に興隆したどんな民族にとっても、その生存の基盤となるものは食の体系であった。動物において食の連鎖が種の保存の基礎をなすのと同じである。特定の食の連鎖が崩れたとき、その一端につながる種が滅びることがあるように、どんな民族も安定した食の体系が確保できなければ、生き残ることは出来ない。

京大山中教授らの研究グループが、人間の皮膚の細胞から万能細胞を作り出す試みに成功したそうだ。万能細胞とは、動物のあらゆる組織に変化可能な細胞(幹細胞)のことで、初期化された細胞と考えてよい。これを以てすれば、失われた器官や臓器の再生も可能になる。実用化されれば画期的なことだ。関係者の話では、ノーベル賞にも値する画期的な業績だというが、当然のことだろう。

プラトンの理想とした国家像は原始共産制的階級社会というべきものであった。原始的とはいえ、共産主義と階級社会とは相容れないもののように考えられがちであるが、プラトンはこれらを融合させて、究極の超国家主義的な社会のありかたを理想のものとして夢見たのであった。

ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal から「敵」 L'Ennemi (壺齋散人訳)

シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal から「病気のミューズ」 La Muse malade

陶淵明「飲酒二十首」より其十七を読む。

陶淵明「飲酒二十首」より其十六を読む。

ウィリアム・ブレイク William Blake(1757-1827) は、イギリスロマンティシズムの初期を代表する詩人にして画家である。彼の業績は詩と絵画を別々にしては考えられない。その詩の殆どは、挿絵を伴った絵本の形で出版されたし、また、詩も絵画もブレイクという芸術家が抱いていた世界観を、それぞれの形で表現したものといえるからだ。

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「ティルザへ」 To Tirzah (壺齋散人訳)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「迷える少女」 A Little Girl Lost (壺齋散人訳)

男色と日本人

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男色といえば、キリスト教文化圏においてはとかく白眼視され、変態であるとか性的倒錯であるとかいって、社会的迫害の対象とされてきた。だが歴史的にこれをみれば、男色に寛容な社会はいくらでもあった。日本もまたその例にもれない。

プラトンは倫理思想については、師ソクラテスの教えを生涯忠実に守った。ソクラテスによれば徳とは知識であり、従って教えることのできるものであった。人は真理を知っておりながら、それを実践しないことは矛盾である。だから、人びとに正しい知識を持たせれば、おのずから徳が実現されるようになる。

能「小袖曽我」は、曽我ものと呼ばれる一連の作品の中でもっとも人気の高い曲である。観世流謡曲では初級謡本の中に収められているから、謡ったことのある人も多いだろう。

シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal から「交感」 Correspondances (壺齋散人訳)

シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Malから「飛翔」 Élévation(壺齋散人訳)

人間の恐怖感

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先稿「不安が脳をとらえる時」のなかで、不安発生のメカニズムとその病理現象について考察した。不安は危険に対して身構え、身の安全を確保するために、人間が生得的に備えている作用ではあるが、ときに脱線して不安神経症とか強迫観念とか呼ばれるものを引き起こす、これが一応の結論だった。

陶淵明「飲酒二十首」より其十五「貧居乏人工」を読む。

陶淵明「飲酒二十首」より其十四「故人賞我趣」を読む

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「迷える少年」 A Little Boy Lost (壺齋散人訳)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「毒の木」A Poison Tree (壺齋閑話)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「幼子の嘆き」 Infant Sorrow (壺齋散人訳)

かつて東欧の社会主義体制が崩壊して経済が一時的に混乱状態に陥ったとき、いち早く復活したものに売春があった。社会主義体制のもとでは基本的にありえなかったこの職業を、当時のジャーナリストたちは人類最古の職業が復活したといって、皮肉っぽく紹介していたものだ。

生きとし生けるものにとって生殖は最も根源的な行為であるから、それにつながる性交は生きることのうちにも最も大きな関心事である。生き物にとって、性交の喜びを抜きにしたら、生きる喜びはないに等しいだろう。それは人間においても同様である。

プラトンが良きにつけ悪しきにつけ西洋哲学にもたらした最大の寄与は、イデアの解明とそれにもとづく観念論的世界観を確立したことだろう。プラトン以降の西洋の哲学的伝統は、個別と普遍、現象と実体、存在と知識、世界の認識論的解明といった諸問題についてかかわり続けてきたが、それらの諸問題はすべて、プラトンによってはじめて体系的な形で提出されたのである。

シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal から「アホウドリ」 L'Albatros (壺齋散人訳)

シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」 Les Fleurs du Mal より「読者へ」 Au Lecteur (壺齋散人訳)

陶淵明「飲酒二十首」より其十三「有客常同止」を読む

陶淵明「飲酒二十首」より其十一「顏生稱爲仁」を読む

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「人間の抽象」 The Human Abstract (壺齋散人訳)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「ロンドン」 London (壺齋散人訳)

ウィリアム・ブレイクの詩集「経験の歌」 Songs of Experience から「小さなヴァガボンド」 The Little Vagabond (壺齋散人訳)

古事記の中に、山幸彦(火遠理命)が海底で海神の娘豊玉毘賣命と結ばれ、結婚式の執り行われる様子が描かれている。

プラトンの対話編「テアイテトス」は、プラトンがソクラテスから自立して独自の思想を展開し始めた中期の作品群の先頭をなすものである。彼の思想の最大のテーマとなった「イデア」の研究に向けての橋頭堡ともなった。

「悪の華」 Les Fleurs du Mal はボードレ-ルが発表した唯一の韻文詩集である。だがそれは万巻の書にも匹敵するインパクトをもった。それほど、西洋の詩の歴史にとって、この詩集の持った影響力は巨大であった。この詩集は19世紀から20世紀にかけて、西洋に留まらず、世界中の詩人たちにインスピレーションを与え続けたのである。



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