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汚された言葉 One Word is Too Often Profaned :シェリー


汚された言葉 One Word is Too Often Profaned (パーシー・シェリーの詩:壺齋散人訳)

  あまりに汚されてしまったために
  もはや汚しようのない言葉がある
  あまりにも侮られているために
  これ以上侮りえない言葉がある
  希望は絶望と紙一重だから
  そには制御しえないものがある
  でもあなたからの愛は
  何にもまして尊いもの

  世間が愛と呼ぶものをわたしは捧げられない
  わたしがあなたに捧げられるのは
  天でさえも拒み得ぬような
  心からの希求の感情
  蛾が星明りを 夜が朝日を待ち望むような
  あなたへの求愛の感情
  悲しみの底からわたしが捧げる
  あなたへの献身的な愛

ここで言及されている「一つの言葉」とは「愛」をさしている。その言葉が余りにも安易に使われているため、語るものにとっても、語りかけられるものにとっても、その本来の輝きが失われてしまった。だから自分は、そんな言葉をあなたに向かって、安易に発したくない。

自分の本当に誠実な感情をあなたに受け止めてもらうには、愛という言葉は、それに相応しい言葉ではなくなった。詩は、そのように歌っているのであろう。


One Word is Too Often Profaned by Percy Bysshe Shelley

  One word is too often profaned
  For me to profane it;
  One feeling too falsely disdained
  For thee to disdain it;
  One hope is too like despair
  For prudence to smother;
  And pity from thee more dear
  Than that from another.

  I can give not what men call love;
  But wilt thou accept not
  The worship the heart lifts above
  And the heavens reject not, -
  The desire of the moth for the star,
  Of the night for the morrow,
  The devotion to something afar
  From the sphere of our sorrow?


関連リンク: 英詩のリズムパーシー・B・シェリー

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