冉冉たる孤生の竹:婚約した女の気持(古詩十九首其八)

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古詩十九首其八「冉冉たる孤生の竹」

  冉冉孤生竹  冉冉たる孤生の竹
  結根泰山阿  根を泰山の阿に結ぶ
  與君為新婚  君と新婚を為すは
  菟絲附女蘿  菟絲の女蘿に附くなり
  菟絲生有時  菟絲 生ずるに時あり
  夫婦會有宜  夫婦 會するに宜あり
  千里遠結婚  千里 遠く婚を結び
  悠悠隔山陂  悠悠 山陂を隔つ
  思君令人老  君を思へば人をして老いしむ
  軒車來何遲  軒車 來ること何ぞ遲き
  傷彼蕙蘭花  傷む 彼の蕙蘭の花
  含英揚光輝  英を含みて光輝を揚げ
  過時而不采  時を過ぎて采らずんば
  將隨秋草萎  將に秋草の萎むに隨はんとするを
  君亮執高節  君 亮に高節を執らば
  賤妾亦何為  賤妾 亦何をか為さん

なよなよと伸びる一本の竹、その根を泰山のふもとに結んでいます、そんな竹のようなわたくしが、あなたと結婚することになったのは、菟絲が女蘿にまといつくようにでした

菟絲が生ずるのには時があります、夫婦が結ばれるのにもやはり時があります、わたしたちは千里を離れて婚約しましたが、二人の間には山河が立ちふさがっています

あなたのことを思うと老い衰えていくような気がします、迎えの車はいつ来るのでしょうか、

あの蕙蘭の花が開いて光り輝くとも、誰も採るものがなければやがてしぼんでしまうように、わたしもこのまましぼんでいくような気がします、なぜあなたは早く迎えに来てはくれないのですか、もし独身を楽しみたいと思っていらっしゃるのでしたら、わたしにはどうすることもできません


男と婚約して早く結ばれたいと思うにかかわらず、なかなかその意がかなわず、悶々と時を過ごす女の気持ちを歌った歌である。


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    このページは、が2008年4月15日 19:08に書いたブログ記事です。

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