葉牡丹:水彩で描く折々の花

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茎立ちした葉牡丹:水彩で描く折々の花(壺齋散人画)


葉牡丹は息の長い花である。既に正月には花壇を飾り、春まで咲き続ける。咲くとはいっても、我々が見ているのは花ではなく、葉の部分である。これが見事に色づいて、あたかも花を愛でているような感じになる。何しろ真冬の花に乏しい時期に、色とりどりの鮮やかさを楽しませてくれるのだから、花好きの人々にとっては欠かせない存在だ。

もともとはキャベツの仲間で、観賞用であったわけではない。徳川時代の初期に日本に伝わったときに、キャベツと異なり球を結ばす、葉が広がってしかも色づく習性のあることから、日本人が観賞用に改良して今日に至ったものだ。その姿が牡丹のようにあでやかなので、葉牡丹と名付けられた。花キャベツともいわれる。今では世界中で楽しまれている。

葉牡丹は最初の頃は地に這うように葉を広げるが、やがて茎立ちして絵にあるような姿になる。こうなるとキャベツの面影はいっそう薄れて、いかにも花らしい姿を呈す。

これを描いたのは三月の半ば過ぎだったが、やがて4月になると、茎のてっぺんから沢山の花茎が伸び始め、そこに菜の花のような黄色くて小さな花がおびただしく咲く。

その花茎を根元から切り、手入れを続けると、親の茎のところどころから新しい芽が出てくる。これが成長して、次のシーズンには、一本の幹から多くの枝が伸び、その先に子どもの葉牡丹が群がったような形になる。これを踊り葉牡丹と称する。葉牡丹が本来多年草であることから生じる現象である。


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