明月何ぞ皎皎たる:離れた夫を思う(古詩十九首其十九)

| コメント(0) | トラックバック(0)

古詩十九首から其十九「明月何ぞ皎皎たる」を読む。

  明月何皎皎  明月 何ぞ皎皎たる
  照我羅床幃  我が羅の床幃を照らす
  憂愁不能寐  憂愁 寐ぬる能はず
  攬衣起徘徊  衣を攬りて起ちて徘徊す
  客行雖雲樂  客行 樂しと雲ふと雖も
  不如早旋歸  早く旋歸するに如かじ
  出戶獨彷徨  戶を出でて獨り彷徨し
  愁思當告誰  愁思 當に誰にか告ぐべき
  引領還入房  領を引いて還って房に入れば
  淚下沾裳衣  淚下りて裳衣を沾す

名月が明るく光り渡り、わたしの閨の薄絹の垂れ幕を照らしています、わたしは憂愁にとらわれて眠ることができず、ころもを引きかけて起き上がり、あたりを徘徊するのです

あなたにとって旅は楽しいのでしょうか、でも早くわたしのもとに帰ってきてください、

戸の外に出てひとりさまよい歩けば、悲しい思いが湧いてきて誰にいうこともできません、項を差し伸べてあなたの方を望みやり、閨に戻ると、涙がとどめなく流れて、寝巻きを濡らすのです


名月の明るい夜に、遠く離れた夫を思って眠ることができず、悶々と悲しい思いに沈む妻の心を歌ったものである、


関連リンク: 中国古代の詩古詩十九首

  • 陶淵明:詩と構想の世界

  • 漢詩と中国文化

  • 古詩源:中国古代の詩

  • 秋瑾女史愛国の詩:寶刀歌




  • ≪ 客遠方より來る:古詩十九首其十八 | 中国古代の詩 | 詩経国風 ≫

    トラックバック(0)

    トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/783

    コメントする



    アーカイブ

    Powered by Movable Type 4.24-ja

    本日
    昨日

    この記事について

    このページは、が2008年5月21日 19:27に書いたブログ記事です。

    ひとつ前のブログ記事は「客遠方より來る:古詩十九首其十八」です。

    次のブログ記事は「スズラン(鈴蘭):花の水彩画」です。

    最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。