詩経国風:周南篇から「芣苡」を読む。(壺齋散人注)
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言采之 薄(いささ)か言(ここ)に之を采る
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言有之 薄か言に之を有(も)つ
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言掇之 薄か言に之を掇(ひろ)ふ
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言捋之 薄か言に之を捋(むし)る
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言袺之 薄か言に之を袺(つまど)る
采采芣苡 芣苡を采り采り
薄言襭之 薄か言に之を襭(つまばさ)む
オオバコの実を摘みにいって、ちょっと実をとってみましょう、オオバコの実を摘みにいって、ちょっと手に持ってみましょう
オオバコの実を摘みにいって、ちょっと拾ってみましょう、オオバコの実を摘みにいって、ちょっとむしりとってみましょう
オオバコの実を摘みにいって、ちょっとつまみとってみましょう、オオバコの実を摘みにいって、ちょっと褄ばさんでみましょう
水辺にオオバコの実を採りに行った乙女の、労働のさまを描いたものだ。おそらく一種の労働歌だったのだろう。歌の主人公がうら若い乙女なので、歌の中にもあでやかな色気が漂っている。