NASAの元宇宙飛行士で、アポロ計画に従事し、人類では最も長時間の月面滞在記録をもつエドガー・ミッチェル Edgar Mitchell 氏(77歳)が、宇宙人の存在について発言し、話題を呼んでいる。氏は、宇宙人がこれまでに何度も、地球を訪れたことがあるにかかわらず、政府はそれを60年間にわたって隠蔽してきたというのだ。
エドガー・ミッチェル氏といえば、アメリカの英雄の一人だ。アポロ14号に乗って月を訪問し、アラン・シェパード船長とともに、9時間14分にわたって月面を遊歩した。1970年代初期の、バラ色のアメリカを象徴するような人物である。その人の発言だけに、俄かにUFO論議に火がついた。
では何故60年という数字が出てくるのか。UFOマニアの間では良く知られていることだが、1947年にニュー・メキシコのローズウェルで、ある衝突事故が起こった。その原因は最後までわからずじまいに終ったが、UFOマニアたちはこの衝突がUFOによるものと信じて疑わない。ミッチェル氏もその一人だというわけである。
ミッチェル氏によれば、UFOの地球への訪問はその後も何度かあった。だがその都度各国の政府機関が巧妙に隠蔽してきたというのだ。
ミッチェル氏は、実際に宇宙人と出会った人の話を聞いたことがあるともいっている。その人によれば、奇妙な形をした、小さな生き物だったという。ミッチェル氏はそれをもとに、宇宙人の姿形は、我々の伝統的なイメージ、つまり小さな体に不相応な大きな頭と大きな目をしているようだと、類推している。
ミッチェル氏はまた、宇宙人の知能は地球人の知能より遥かに高い可能性があるとも類推している。今のところ、地球に有害な影響は及ぼしていないが、もし彼らが地球に敵対的な態度を取るようになったら、地球人の運命は危うくなるだろうと心配してもいる。
この発言は、UFO現象を追いかけているさるラジオ局が企画したインタヴューの中で飛び出てきたものだ。インタヴューを行なったニック・マージェリソンによれば、UFO学者の話には眉唾物が多いのだが、ミッチェル氏の話には人を説得する力がこもっていた。
一方ミッチェル氏に名指しされたNASAは、早速報道官を通じて声明を発表した。
「NASAはUFOについて目撃したことはない。これまで、地球上においても、宇宙のいかなる場所においても、宇宙人と呼ばれるようなものを見たことがないし、したがってそれを隠蔽しようとするような行動とは全く係わりがなかった。
「ミッチェル博士は偉大なアメリカ人だが、この問題については、我々は博士と意見を同じくしない。」
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