河廣:我が子を思う(詩経国風:衛風)

| コメント(0) | トラックバック(0)

詩経国風:衛風篇から「河廣」を読む。(壺齋散人注)

  誰謂河廣  誰か謂ふ河廣しと
  一葦杭之  一葦もて之を杭(わた)らん
  誰謂宋遠  誰か謂ふ宋遠しと
  跂予望之  跂(つまだ)って予(われ)之を望まん

  誰謂河廣  誰か謂ふ河廣しと
  曾不容刀  曾(すなは)ち刀を容れず
  誰謂宋遠  誰か謂ふ宋遠しと
  曾不崇朝  曾ち朝を崇(お)へず

誰がいうのでしょう、黄河の河が広すぎて渡れないと、一束の葦で舟をこしらえたなら渡ることもできましょうに、誰が言うのでしょう、宋の国は遠すぎると、足をつま立てれば望むこともできましょうに

誰がいうのでしょう、黄河の河が広すぎて渡れないと、小舟を容れるほどの広さもないと思われましょうに、誰が言うのでしょう、宋の国は遠すぎると、そこまでいくのは朝飯前と思われましょうに


宋の桓公の妻は衛の女であったが、故あって離縁され、子どもと離れ離れにされて衛に戻った。この詩は、その女が宋に残してきた子どもを偲んで歌ったものだとされている。

二節目にある刀は文字通りの刀のことではなく、小舟をさすというのが通説である。もっとも、刀を入れるほどの幅もないと解釈できないでもない。


  • 詩経国風
  • 古詩源:中国古代の詩

  • 古詩十九首

  • 漢詩と中国文化

  • 陶淵明:詩と構想の世界

  • 秋瑾女史愛国の詩:寶刀歌




  • ≪ 相鼠:役人の腐敗を糾弾する(詩経国風:鄘風) | 中国古代の詩 | 伯兮:戦場の夫の安否を気遣う(詩経国風:衛風) ≫

    トラックバック(0)

    トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/898

    コメントする



    アーカイブ

    Powered by Movable Type 4.24-ja

    本日
    昨日

    この記事について

    このページは、が2008年7月15日 21:09に書いたブログ記事です。

    ひとつ前のブログ記事は「36歳の誕生日 My Thirty-Sixth Year:バイロン」です。

    次のブログ記事は「伯兮:戦場の夫の安否を気遣う(詩経国風:衛風)」です。

    最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。