詩経国風:鄭風篇から「狡童」を読む。(壺齋散人注)
彼狡童兮 彼の狡童
不與我言兮 我と言(ものい)はず
維子之故 維(こ)れ子の故に
使我不能餐兮 我をして餐(くら)ふ能はざらしむ
彼狡童兮 彼の狡童
不與我食兮 我と食(くら)はず
維子之故 維れ子の故に
使我不能息兮 我をして息(いこ)ふ能はざらしむ
あの狡猾な男は、わたしと話してもくれない、そのためにわたしは、食べ物も喉をとおらないほど悲しい
あの狡猾な男は、わたしと食事をともにしようともしない、そのためにわたしは、心の休まることがないほど辛い
つれない男に対する、女の恨みを歌った詩、「不與我言兮」には性的な意味合いもあるのだろう、狡童は文字通りには「ずるい男」をさす