ギヨーム・アポリネールの詩「はがき」 Carte postale(壺齋散人訳)
テントの中で君にはがきをしたためている
外では夏の日が暮れゆき
青みがかった空には
まばゆいばかりの花模様がみえる
それは耳を劈く砲弾が
束の間に描く模様なのだ
アポリネールの詩集「カリグラム」には、戦場での日々を歌ったものがいくつか収められている。この詩はテントの中で恋人にあてて書いたはがきの文章だ。
詩の中では砲弾が花火のように鮮やかに描かれている。実際のアポリネールも、こうした砲弾の一つが頭に命中し、名誉の負傷を蒙ったのである。
Carte postale - Guillaume Apollinaire
Je t'écris de dessous la tente
Tandis que meurt ce jour d'été
Où floraison éblouissante
Dans le ciel à peine bleuté
Une canonnade éclatante
Se fane avant d'avoir été
関連リンク: 詩人の魂>ギヨーム・アポリネール:生涯と作品