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流れ星をつかまえろ Go and catch a falling star :ジョン・ダン


ジョン・ダンの詩集「唄とソネット」から「唄」Song(壺齋散人訳)

  さあ行け 流れ星をつかまえろ
  マンドレークを根こそぎ引っこ抜け
  過ぎ去った日々がどこに消えたか
  悪魔の股を裂いたのは誰か言ってくれ
  どうしたら人魚の歌が聞けるのか
  嫉妬の針を避けられるのか 教えてくれ
   そうすればどんな風が
   正直な心を
  育んでくれるかがわかるから

  君がもしも 見えないものをも見通す
  千里眼をもって生まれたのなら
  日夜をついでいつまでも
  髪が雪のように白くなるまで駆け続けろ
  そして戻ってきたときに 君の身に起きた
  不思議なことどもを語ってくれ
   そして誓っていってくれ
   この世のどこにも
  真心のある美しい女はいなかったと

  もしいたのなら 教えてくれ
  喜んで探しに行くから
  いやいや 決してそうはしまい
  たとえ近くに住んでいたとて
  君が出会ったときにはそうだったとしても
  君が手紙を書いたときにはそうだったとしても
   その女はきっと
   僕と出会うまでに
  二人や三人の男を手玉にとるだろう


ブレイクの詩集「唄とソネット」のなかには、女性を憧れあるいは欲望の対象として描いたもののほか、女性を否定的に描いたものもある。この詩はその代表的なものだろう。

詩の題名は「ソング」だが、むしろ第一句目にある「流れ星をつかまえろ」Go and catch a falling star のほうが有名だ。


SONG By John Donne

  Go and catch a falling star,
  Get with child a mandrake root,
  Tell me where all past years are,
  Or who cleft the devil's foot,
  Teach me to hear mermaids singing,
  Or to keep off envy's stinging,
    And find
    What wind
  Serves to advance an honest mind.

  If thou be'st born to strange sights,
  Things invisible to see,
  Ride ten thousand days and nights,
  Till age snow white hairs on thee,
  Thou, when thou return'st, wilt tell me,
  All strange wonders that befell thee,
    And swear,
    No where
  Lives a woman true and fair.

  If thou find'st one, let me know,
  Such a pilgrimage were sweet;
  Yet do not, I would not go,
  Though at next door we might meet,
  Though she were true, when you met her,
  And last, till you write your letter,
    Yet she
    Will be
  False, ere I come, to two, or three.


関連リンク: 英詩のリズムジョン・ダン John Donne

  • 英詩と英文学

  • ウィリアム・ブレイク詩集

  • フランス文学と詩の世界






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