流れ星の大気圏突入とその残骸

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太陽系を遊泳している天体が地球に接近すると、地球の引力に吸い寄せられて流れ星となり、大気圏に突入するのはよく見られることだ。ほとんどの場合、流れ星は大気圏突入時の衝撃によって、こなごなになってしまうので、その残骸を突き止めることは不可能に近かったが、このたびNASAのグループが、それを見つけ出すという快挙をなしとげた。

この天体は2008TC3といって、昨年の10月に流れ星となって地球の大気圏に突入したことが確認されていた。その際に爆発して飛散したように見えたので、多くの科学者は、地球上にその天体の痕跡は残っていないだろうと判断した。ところが辛抱強い探索の結果、スーダンの奥地の砂漠で、見つかったというのだ。

それは合計8.7ポンドの、表面がギザギザした黒い岩塊群だったそうだ。これを分析すれば、同じような天体の組成について詳しい情報が得られると共に、今後予想される流れ星の地球襲来に備えて、実践的な準備もできるということだ。

まず組成についていえば、鉄やニッケルなどの金属成分および黒鉛などの有機物質を含んでいたそうだ。科学者たちは、これはおよそ45億年前にできた天体で、惑星になりそこねた天体群の一部だろうと推測している。

面白いことには、表面に無数のダイアモンドが付着していたという。大気圏突入時の巨大な圧力によって形成されたものらしい。もっともその大きさは、取るに足りないほど微小なもので、たとえて言えば、バクテリアの指輪に相応しいほどの大きさといったところらしい。

この天体の場合、大気圏に突入する以前から、地球にとって脅威にならないだろうということが分っていた。科学者たちは天体の地球への脅威度を、色や光の波長などをもとにランク付けしているが、この天体はFクラスだということだ。Fクラスの天体はもろくできているので、仮に大きいものであっても大気圏突入時に大破して飛び散ってしまう。だから地球にダメージをあたえることはほとんど考えられないという。

しかし中にはいろいろな天体がある。それらがいつ地球に衝突するか、誰も予測できない。もしAとかBクラスに位置づけされるような天体が流れ星になって地球に衝突したら、どんなことが起こるか。考えただけでも身震いしそうである。

そうしたときに備えて、地球人は今のうちから、太陽系を遊泳している天体についての研究を進化させ、それらが地球に衝突する可能性、およびその際の地球へのダメージについて、シミュレーションしておく必要がある。そのうえで、その場合にとるべき対応についてあらかじめ準備しておく必要がある。専門家たちはこのように警鐘を鳴らしている。


関連リンク: 地球と宇宙の科学

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