李白の五言古詩「清溪の行(うた)」(壺齋散人注)
清溪清我心 清溪 我が心を清くす
水色異諸水 水色 諸水に異なる
借問新安江 借問す 新安江
見底何如此 底を見ること 此と何如
人行明鏡中 人は行く明鏡の中
鳥度屏風里 鳥は度る屏風の里(うち)
向晩猩猩啼 晩に向(なんなん)として猩猩啼き
空悲遠游子 空しく遠游子を悲しましむ
清溪の流れは我が心を清くし、水の色は他の川の比ではない、尋ねたい、かの新安江の水も底が見えるほど清いというが、こことどちらが上だろうか
人が岸辺を歩むとその影が鏡のような水面に映り、鳥が屏風のように切り立った崖を飛びわたる、黄昏時には猩猩が哀れな声で鳴いて、道行く旅人を悲しい思いにさせる
清溪は安徽省秋浦の近くを水源とする川の名、水が澄んでいることで有名だったらしい
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