カナダのモントリオールに拠点を置くエンターテイメント集団 Cirque du Soleil (太陽のサーカス)が日本でも評判になっているようだ。東京ディズニーランドに常設劇場を置くほか、各地で公演している。その大阪公演の様子を Japan Times の記者がレポートしていた。
3000人を収容する巨大なテントの中には直径13メートルの円形の舞台が据えられ、その正面に透明のカーテンがかかっている。カーテンには一人のピエロと何人かの天子が描かれている。このカーテンが挙げられると演技の始まりだ。まずベッドに横たわったピエロが現れる。このサーカスはピエロが死の床で自分の人生を回想するという物語のような構成をとっているのだ。題して「葬送」 Corteo という。
かつてピエロと愛し合った恋人たちが四人次々と現れ、アクロバティックな演技をする。空中のシャンデリアからぶら下がったり、二本の絹の布につかまりながら空中で歌ったりする。彼女らが天上に消えると、今度は天子が現れ、ピエロを空中に誘う。ピエロはベッドごと空中を漂い、空を飛べたと喜びの叫びを上げる。
こんな具合にして、物語の進行に合わせて18種類の演技が続けられる。サーカスといっても、動物は出てこない。あくまでも人間の身体演技からなっている。圧巻は四つのホィールによる演技だ。ホィールの中には人間が入っていて、彼らはホィールの動きに合わせて回転する。そのうち次第にホイールが大きな輪を作るようになる。それがファンタスティックな感じなのだそうだ。
レポートや写真から想像する限り、上海で見た雑技に近いものだという印象を受ける。そのうち機会があれば、自分の目で確かめてみたい。
Cirque du Soloeil は大道芸人だったギー・ラリベルトが1984年に設立し、いまや世界中18箇所に展開している。伝統的なサーカスではなく、大道芸、オペラ、バレーなどを取り入れた新しいエンターテイメントを目指している。一言で言えばアクロバティック・オペラといったところか。
現代人に人気があるのは、そこに夢を感ずることが出来るからだろう。その夢を実現するため、パフォーマーたちは日夜練習を欠かさない。彼らは10歳前後で入団し、専門的な教育を受けたスーパー・プロ集団だ。
(上の写真は空中のシャンデリアにぶら下がるパフォーマー:Japan Times 提供)
(参考)Cirque du Soleil adds pathos and artistry to those big-top thrills By Erico Arita
コメントする