ホオジロザメ Great White Shark

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上の写真(ナショナルジオグラフィック提供)は海中からジャンプしたホオジロザメを水面のレベルから捉えたものだ。大きく開いた口が見るものに恐怖感を与える。

ホオジロザメ Great White Shark といえば、恐怖映画「ジョーズ」の印象が余にも強烈だったせいで、凶悪な海のギャングといったイメージが広がっている。だからこんな光景を見せ付けられると、誰しも背筋の寒くなる思いをするに違いない。

だが研究者たちの粘り強い調査によれば、ホオジロザメは考えられているほど凶悪ではないらしい。たしかにジョーズのように人を襲うことはある。というのもホオジロザメは沿岸の浅い海に主に生息しているため、人間と出会う機会が多いからだ。それでも好んで人間を食うというわけではない。海中から水面近くを見上げると、人間の姿はオットセイのように見えるので、勘違いしたホオジロザメが跳びつくというのがほとんどのケースだ。

人間がサメに襲われる事故は年間100件程度発生するそうだ。そのうち三分の一ないし半分程度はホオジロザメによるものだが、多くの場合致命傷には到らないという。彼らは獲物に無闇に飛びつくわけではなく、いったん口の中に入れて試した上で、食用に適さないと判断するとそのまま吐き出すらしいのだ。

ホオジロザメの主な餌は、アシカ、オットセイ、海亀、小型の鯨などだ。腹具合によっては四足獣や場合によっては死肉も食う。胃の中に羊の脚が残っていたケースも報告されているが、あくまでも例外的なケースだという。どうやって陸上動物に襲い掛かったのか、謎が残るところだ。

ところで、ホオジロザメという日本語の名称はあまり適切ではない。このサメは腹が白く、背中はグレイだ。保護色の役割を果たしているらしい。

もっとも保護色が必要でないほどホオジロザメは強い。魚類の中では最大の肉食獣だ。大きさは平均4.6メートルあり、6メートルの巨大な個体も確認されている。体重は2.2トンにも達する。

形は流線型で強力な尾鰭を持っているので、水中を時速24キロのスピードで泳げる。ジャンプ力も優れていて、海底から一直線で水面に浮かび上がり、餌になる生き物に食いつく。のこぎりの歯を思わせるような歯がおよそ300も生えていて、それが列をなして並んでいる。これに咬まれたらどんなものでも千切られてしまう。

優れた嗅覚のほか、動物から発せられる電磁波を捕らえる能力をもち、餌を捕食する確立は高い。これににらまれたアシカたちは、ほとんど逃げることが出来ないという。

そんなホオジロザメも、今では絶滅が危惧されるほどに減ってしまったらしい。主な原因は人間との過剰な接触にあると、専門家は推測する。





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このページは、が2009年10月21日 18:58に書いたブログ記事です。

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