月面クレーター探査衛生 LCROSS が、月における大量の水の存在を確認するデータを送ってきたと、NASAが発表した。
LCROSSが大量の水の存在を確認したのは、南極にあるカベウスというクレーター。このクレーターに向けて、まずロケットを一発発射した。ロケットは時速9000キロの猛スピードでクレーターの底を直撃。衝突した場所からはおびただしい物質が吹き上がった。
ついでカメラを積んだ衛星を発進させ、衝突の現場を撮影した。その結果吹き上がった塵に混じって、大量の水が確認されたのである。
長い間乾燥した星と信じられていた月に水が存在していることを証明したのは、インドの衛星チャンドラヤーンだが、大量の水が存在するかどうかまではわからなかった。大量の水の存在は、月に人間の活動基地を建設する上で鍵となることだから、今回のLCROSSの実験は、人間の宇宙研究史にとって画期的なことだといえる。
この水の起源については、彗星衝突説が有力だ。水を含んだ彗星が月面に衝突したさい深いクレーターを作るとともに、その底に水を閉じ込めたとする考えである。南極付近のクレーターの底は、超低温状態であるから、水を氷の状態のまま長く保存してきたものと思われる。
今回確認されたのはバケツ1ダース分くらいの分量だったらしい。そこで気になるのは、他にも大量の水を保存した部分があるのだろうかということである。専門家は楽観的な見方をしている。
水は人間の飲料として不可欠なだけでなく、分解して酸素を取り出したり、また水素を航空燃料の材料に利用できる。こんなことから、月で安定的に水を確保できれば、恒久的な基地を建設することも夢ではない。
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