マックス・エルンスト Max Ernst:ポール・エリュアール

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ポール・エリュアール Paul Eluard の詩「マックス・エルンスト」Max Ernst(壺齋散人訳)

  隅っこのほうでは もつれあったふたり
  少女が侵されるのは近親相姦を見るようだ
  隅っこのほうでは あけ広がった空が
  嵐の背骨に白い玉をそそぎかける

  隅っこのほうでは 目を大きく見開いて
  魚の苦悩を見つめている人がいる
  隅っこのほうでは 野菜のような緑色の車が
  でんと構えて動かないでいる

  青春の花盛り
  ランプの光に照らされた
  少女のおっぱいには 赤い昆虫の死骸が見える

ポール・エリュアールはシュール・レアリズムを掲げたフランスの詩人だ。20世紀の詩人であるから、我々現代人ともいささか感性を通じ合えるところがある。かといって、彼の詩が我々にもわかりやすいというわけでもない。

マックス・エルンストはエリュアールの同時代人のドイツの画家、絵の分野でやはりシュール・レアリズムを標榜していた。

若いエリュアールには、数多くの画家の友人たちがいたが、マックス・エルンストは特に仲のよかった一人だ。

エリュアールは、エルンストのほかにも、画家の作品をテーマにした詩を数多く書いている。この詩は彼の初期の詩集 "Répétitions 1921" に収録されたもの。


Max Ernst : Paul Eluard

  Dans un coin l'inceste agile
  Tourne autour de la virginité d'une petite robe.
  Dans un coin le ciel délivré
  Aux épines de l'orage laisse des boules blanches.

  Dans un coin plus clair de tous les yeux
  On attend les poissons d'angoisse.
  Dans un coin la voiture de verdure de l'été
  Immobile glorieuse et pour toujours.

  À la lueur de la jeunesse
  Des lampes allumées très tard
  La première montre ses seins que tuent des insectes rouges.


関連サイト:フランス文学と詩の世界





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