アメリカのホームレス

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TIMEの電子版が最近のアメリカのホームレス事情について紹介している。More Homeless Americans Living in Cars and Campers By KEVIN O'LEARY

表題から伺えるように、職と家を失い車の中で寝起きする人々が増えているという話だ。レポーターはカリフォルニアを根拠に活動しているようなので、ロサンゼルスやサンフランシスコでの出来事が中心だが、同じようなことは全米共通に起こっているらしい。

日本では家を失ったひとはストレートに路上に放り出される例が多いが、アメリカでは車がクッションになっている。住む家がなければとりあえず車の中で雨露をしのぐというのは、彼らにとってはあまり抵抗がない。というのもアメリカにはキャンピングカーの中で暮らすというスタイルが認知されていて、人々は大きな屈辱感を感じずにホームレス生活をすることが出来るからだ。

だから車を根城に生活している人の中には、自分をホームレスと思っていない人もいる。今の生活は長いライフスパンの中での一時的な現象であって、いずれはまた家の中で住むこともあるさ、というわけだ。

だがこれも車を所有できる限りでの話だ。そのうち所有に必要な費用を払えなくなれば、車を手放さざるを得なくなる。そのときにはいよいよ路上に出て行かねばならない。

車内生活者も含めたアメリカのホームレス人口がどれくらいになるか、厳密にはわからない。専門機関の調査によれが、常に70万人近い人々がホームレスの状態に固定されており。短期的にホームレスの状態に陥る人々を含めれば年間延200万から300万に上るのではないかと推測されている。

アメリカのホームレス対策の基本はシェルターと呼ばれる一時宿泊所への収容だ。ここで日常生活を保障するとともに、仕事や学校についての問題をサポートする仕組みだ。だが最近は大不況によって大量のホームレスが生み出されたおかげで、収容能力が常に不足している。

日本のホームレスは個人単位で行動するものがほとんどだが、アメリカでは家族そろってホームレスになるケースが多い。こうした家族は子どもの教育を始め家族の絆にとって必要な環境が破壊されていく危険にさらされている。

現在家族単位で車内生活をしている人々は相当な数に上ると見られる。彼らが車まで失って路上にはじき出されたとき、どんな事態が生じるか、レポーターは憂慮している。





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このページは、が2010年2月15日 19:33に書いたブログ記事です。

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