桐生・路地の風景

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桐生本町通りの有隣館から天満宮に至るまでの南北五六丁の間は、両側に古い街並が比較的よく残されている。表通りには蔵作りの商家が点在し、通りに垂直に交わる多くの横丁には、鋸屋根の織物工場やら古びた民家やらが立ち並んでいる。

そのような路地のひとつに立ち入ると、狭い道幅に沿って板塀が続いていたり、路地の先には青く霞んだ山の頂が見えたりする。さらに進んで路地の奥へと歩み続けると、どこからともなく、機を織るカタンコトンという音が聞こえてきて、いかにも機織の街に来たという気持になる。

日本の機業は東南アジアからの輸出に押されてすっかり傾いてしまったが、伝統のある織物はまだ幾分命脈を保っているものと思える。

この絵は、有隣館の南側にある路地を描いたもの。板塀は道に沿って並んでいる土蔵群の腰板にあたるものである。このような場所に出会うと、日本の古きよき時代の空気が時間の流れとは無関係に漂っているかのような気持にさせられる。何とも懐かしい眺めではないか。

この路地には近江辻小路という名前がついている。有隣館創業者は享保年間に近江から来住したというから、そのことにちなんで名づけられたのであろう。

路地の先をずっと進んでいくと道は左へ折れ、やがて桐生川に突き当たる。桐生川は渡良瀬川の支流である。両毛国境の山々を背景にして、その流れは美しい。(平成14年8月)





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