アメリカの大都市では近年、トコジラミ(南京虫)がはびこるようになったそうだ。ニューヨーク市の衛生当局によれば、2004年度には500件ほどだったトコジラミに関する苦情が、2009年度には11000件にも達したという。
そこで改めて調査を実施したところ、ニューヨーク市民の15人にひとりはトコジラミに苦しんでいるという結果が出た。
一時期はDDTの効果のおかげで姿を消すようになった虫だが、DDTが禁止されるようになって次第に息を吹き返し、最近再び日常生活を脅かすほどにまで復活したということらしい。名前の通りベッドや衣類に住み着き、人間の血を吸って生きている。これに食われると、あとが赤く膨れ上がり、痛みも激しい。
こんなに増えるようになったのは、トコジラミの生命力の強さによる。この虫は何も食べない状態で長期間生きていることが出来るらしい。そこで殺虫剤の効果が効いている間は活動を停止してじっとしており、その効果がなくなると再び活動を開始して生殖活動を行うようになるらしい。
この調子だと、日本でも増殖するようになるのは時間の問題という。
ところで筆者の場合には、今のところ、トコジラミに苦しむことがない替わりに、書物にはびこる紙魚の類が部屋中にはみ出てきて、大いに難儀している。これがまた厄介な代物で、筆者は常々悩んでいる。対応の方法を知っている方がおられたら、是非教えを請いたいと思う。
なお上の写真(AP提供)は、人間の皮膚に食らいついたトコジラミ。リンゴの種ほどの大きさの虫が、人間の血を吸い取って、丸々と超え太っている。
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