杜甫の七言絶句「漫に成る」(壺齋散人注)
江月去人只數尺 江月人を去ること只數尺
風燈照夜欲三更 風燈夜を照らして三更ならんと欲す
沙頭宿鷺聯拳靜 沙頭の宿鷺聯拳靜かに
船尾跳魚撥剌鳴 船尾の跳魚撥剌として鳴る
大河に映る月はただ數尺のところにあり、風燈が夜を照らして真夜中になろうとしている、白州には鷺の群れがこぶしを連ねて並び、船尾では魚の飛び跳ねる音がする
大暦元年(766)春、雲安を出て長江を下り、キ州に向かう船の中での作。漫成とはふとできた作品という意味。三更とあるから、深夜眠られぬまま夜景を眺めている間に、できたのであろう。
関連サイト: 杜甫:漢詩の注釈と解説
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