心の中のバラ Aedh tells of the Rose in his Heart:イェイツの詩

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ウィリアム・B・イェイツの詩集「葦を吹き渡る風」から「心の中のバラ」Aedh tells of the Rose in his Heart(壺齋散人訳)

  醜いものや壊れたもの 磨り減って古びたもの
  道端で叫び泣く子ども 荷車のきしむ音
  冬のぬかるみの中で鍬を振るう農夫の重い足取り 
  これらすべての忌まわしい眺めはぼくが抱く君のイメージとはそぐわない

  これらすべての忌まわしいものはそんなに簡単に語れるものではない
  できたらそれらすべてを作り直し せいせいとした気持ちになりたい
  地面も空も川も作り直し 輝くような世界にしたい
  そうすればぼくが抱く君のイメージにふさわしい世界になるだろう


これは女性に呼びかけている詩だ。女性はモード・ゴン。ナレーターに想定されているイードはイェイツの幻想物語に出てくるキャラクターだが、ここではイェイツ自身と考えてよい。

モード・ゴンはアイルランドの熱烈なナショナリストとして、不正義を糾弾し世界を作り変えることを夢見ていた。たしかに彼女のいうとおり、この世界は忌々しさに満ちている、ナレーターはそういうのだ。


Aedh tells of the Rose in his Heart

  ALL things uncomely and broken, all things worn out and old,
  The cry of a child by the roadway, the creak of a lumbering cart,
  The heavy steps of the ploughman, splashing the wintry mould,
  Are wronging your image that blossoms a rose in the deeps of my heart.

  The wrong of unshapely things is a wrong too great to be told;
  I hunger to build them anew and sit on a green knoll apart,
  With the earth and the sky and the water, remade, like a casket of gold
  For my dreams of your image that blossoms a rose in the deeps of my heart.


関連サイト: イェイツ:詩の翻訳と解説





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薔薇には棘がある
美し過ぎる薔薇には神が棘を付けた。
神は美し過ぎる薔薇を作ってしまったあと
誰かが持ち去るのを案じたのだ。

前は美しくなく棘だらけ
河豚もぶすで、棘だらけ
だけど ふぐ刺しおいしいよ
だけど おまえは 食えもせぬ
用がないのが生き残る
ホンに 神様考える

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