今年の夏は記録的な暑さになった。文字通り記録的なのは、35℃を超える猛暑日が十数日もあったこと、七月以降ほとんどの日が30℃以上の真夏日であったこと、また25℃以上の熱帯夜が毎晩続いたことなど、さまざまな指標で知られる。この暑さのために、今年は熱中症で死亡した人の数が、500名近くにものぼった。まさに記録づくめだ。
熱中症は、外気温が35度を超えると発生しやすい。この気温だと、地表近くなど場所によっては40度前後にもなるところが出てくる。そのため熱中症にかかる人が増える。
今年熱中症で死んだ人の内訳をみると、室内で死んだ人の割合が多いのにびっくりさせられる。室内といえども安全ではない、熱がこもってサウナ並みの高温になるケースが多いらしいのだ。
こうした現象は、いままでもないわけではなかったが、今年は数が異常に多いことで、一挙に社会問題になった。
熱中症による被害が大きな社会問題になった例としては、2003年のフランスのケースが有名だ。この年ヨーロッパ中が熱波とよばれる高温に見舞われたが、フランスではヴァカンスに取り残されパリに残った年寄りを中心に、15000人が熱中症で死んだのだった。
深刻な事態を前にして、フランス政府は熱中症をインフルエンザと同じような災害として位置づけ、さまざまな対策を講じるようになったという。日本もいづれ、真剣に熱中症対策を考えねばならなくなるだろう。
なにしろ日本の夏の暑さは、半端なものではないから。
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