伊勢丹:水彩で描く東京風景

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伊勢丹といえば古くから新宿のランドマークともいうべき存在だった。高度成長が始まる前からこの地にでんと聳え、多くの買い物客を集めたものだ。まだエスカレーターが珍しかった頃、伊勢丹に来れば乗ることができるというので、近隣の小僧たちが集まって来たものである。

東京に店舗を構える百貨店には、伊勢と近江の出身が多いときく。伊勢丹もその名称からして伊勢と関係があるのだろうか。社史には明治19年東京神田に開業とあるから、そもそもの伊勢商人ではないらしい。伊勢出身の三越がもとは越後屋と称していたから、それと同じようないきさつがあるのかもしれない。

夏の余韻が色濃く残る日、買物の途中に新宿通りを歩んで三丁目の交差点に差し掛かった折、斜め越しに伊勢丹のどっしりとした建物が視界を塞いだ。圧倒的な存在感である。新宿は銀座と比べてまだ垢抜けないところがあるが、伊勢丹ばかりはクラシックな雰囲気を醸し出して洗練された趣を感じさせる。この会社に縁のない者でも褒めたくなるものだ。(2004年9月記)


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このページは、が2010年10月11日 18:55に書いたブログ記事です。

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