ブローニュの森を歩く:パリ紀行その十四

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十月七日(木)晴。この日はブローニュの森を歩かんと、ベルシーにて六号線に乗り換へ、ラ・モットにて十号線に乗り換へ、ポルト・ドートゥイユ駅に至る。ボア・ド・ブローニュの南の入り口近くの駅なり。

この森は巨大なれば、駅より入り口までは距離長し。地図を参考に西へと向かって歩む。このあたりはパリの最高級住宅地とて、瀟洒なる建物を多く見かけたり。そのうち道に迷ひたりと覚しく、いくらたちても公園に届かず、改めて太陽の位置を頼りに進路を北へと取り直すに、やうやくブローニュ門にたどりつきぬ。

ブローニュ門の近くにはギャロス・テニス場あり。全仏オープンの会場なる由、テニスファンの横子大いに喜びたり、彼またロンシャン競馬場を見物したしといふ、つひ最近凱旋門賞催されしといふ競馬場なり、デュフィなども絵に描きてあれば、パリ市民に親しまるる場所なりと覚えたり。


競馬場の東側を北に向かって歩み、尽きるところにて東へと曲がる。途中一軒のレストランを見かけたれど、玄関に縄張られて入ることを得ず、そのまま森の中を歩み続ける。

森閑たる林の中には、時折サイクリングをなすものやら、ジョギングをなすものの姿あり、中には半裸の姿で歩く者もあり、思はずどっきりとす。フランスはやはり、ヌーディストの天国なりしと改めて己にいひきかせぬ。

そのうち再び道に迷ふ、東へと歩くつもりが、いつの間にか南へと歩き続け、何時までたちても森を横断することを得ざるなり。余に船頭を任せては、王道を行くことを得ずとて、今度は横子が先にたちて歩くほどに、やうやく森の東の端に出たり。

そこよりタクシーに乗りて凱旋門に至り、バルザック通りのとあるカフェに入りて昼餉をなす。実は中華料理でも食ひたしと思ひしが、適当な店を見かけず。仕方なくいつもの如き味気なき料理に満足せり。


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