モンマルトル:パリ紀行その十五

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エトワール駅より地下鉄二号線に乗りてアンヴェールに至る。地上へ出ればサクレ・クール寺院へと上る坂道のふもとなり。道沿ひに露店立ち並び、縁日の如き雰囲気横溢す、この町は常に祝祭的な気分に包まれをるが如くなり。

サクレ・クール寺院に向かって一歩一歩石段を登る。途中のテラスに赤い制服着たる子どもら大勢集まり何やらイベントが始まる雰囲気なり。石段の左手には、ケーブルカーの施設あり、多くの観光客を運びゐたり。

この寺院は普仏戦争後に着工し、第二次大戦後に完成すといふ、因縁からしてドイツとのかかはり深し、ただ外見はフランスの建物には珍しく、バジリカ様式を取り入れたり

寺院の周囲にはおびただしき観光客集まりてあり、これまでに見たるどの観光地よりも賑やかなり、展望もよく、丘の上からはパリの街を一望しうるなり

寺院の傍らなるテルトル広場には、カフェ軒を並べ、大勢の人々くつろぎゐたり、広場の北側は急峻な斜面にて、その一角には葡萄畑あり、横子いま収穫祭催されをるはずなれば是非見学せんといふ故、坂道をおりてその場に赴くに、今だ準備の最中なりき

この葡萄園のワインは、パリ市内唯一の地場ワインとして、絶大な人気を誇る由なれど、この日は不幸にして飲むことを得ざりしなり。

ブドウ畑の隣にはラパン・アジールなるキャバレーあり。ガイドブックによれば、昔よりシャンソン酒場として有名なる由、いまもなお現役の店としてシャンソンを聞かせるといふ故、是非聞いてみたしと思ひ、扉を叩くに、入り口脇のベンチに腰掛けゐたる男、開店は九時なれば改めて参られよといふ、余予約の是非を問ふに、予約などせずとも大丈夫なりといふ

付近にはエリック・サティやらベルリオーズのかつての家あり、またモンマルトルゆかりの人々を紹介したる博物館あり、それらを一見して後、丘の北側に下り、地下鉄十二号線のラマルク駅に至る

四時半頃ホテルに戻り、しばし休憩をなす、夜半再びモンマルトルに赴きて、シャンソンを聞かんと思ふなり


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このページは、が2010年10月22日 19:39に書いたブログ記事です。

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