ミャンマーで20年ぶりの総選挙

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軍事政権下のミャンマーで20年ぶりに総選挙が行われた。とはいっても、民主主義のルールに照らして問題の多い選挙だった。結果が出るには数日かかるといわれるが、軍が主体の政治構造に、基本的な変化は生じないだろうと予想されている。

まず、総定数の四分の一が、軍に割り当てられた。軍ではこれに加え、一般選挙枠の過半数を獲得して、75パーセントを制し、今後の政治の主導権を握ろうとしている。政党の受け皿は、連邦団結発展党(USDP)と国民統一党(NUP)で、いづれも軍と深い関係を持ち、双子の兄弟のようなものだ。

一方アウン・サン・スーチーさんが率いる国民民主連盟(NLD)は選挙そのものをボイコットした。この選挙を、軍政を合理化するための茶番劇だとみなしているからだ。それでも野党勢力は、20パーセント程度を獲得するのではないかとみられている。

軍は、選挙枠を無条件で手に入れたほかに、新しく構成される内閣の構造にも強い影響力を担保した。国防、内務、国境担当といった重要閣僚の任命権を、国軍司令官が握り続ける。戦前の日本の軍部が、閣僚の任命を牛耳っていたのと同じ構図だ。

ミャンマーの軍事政権を、先進諸国は経済封鎖によって、制裁しようとしてきた。だが最近は、その封鎖政策が無力化しつつある。欧米がいなくなった後を、中国やロシアが埋めるようになり、経済封鎖が事実上機能していないからだ。

中国やロシアには、民主主義の理念などはたいした価値はないようだ。国民の権利を踏みにじって恥じない軍事政権とでも、ビジネスは成り立つと割り切っている。


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このページは、が2010年11月 8日 19:37に書いたブログ記事です。

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