ベルルスコーニ Berlusconi に敵対するイタリアの学生たち

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フランス、イギリスの学生暴動に続いて、イタリアでも学生暴動が勃発した。こちらは下院でのベルルスコーニへの不信任議決がわずか3票差で否決されたことを受けて、学生たちが暴れだしたものだ。(上の写真:AFP提供)

シルヴィオ・ベルルスコーニ Silvio Berlusconi は、戦後とかく不安定がちだったイタリアの政界にあって、珍しく長期間にわたって首相を務めた豪腕政治家だが、さすがに70歳を越えて健全な判断力を失ったか、スキャンダル続きで、すっかり国民の信頼を失うようになっていた。

そのスキャンダルの中でも、十代の若い女性をめぐるセックス・スキャンダルは、細君の怒りをかって、三行半をつけられる事態にまで発展した。普通なら即失脚というのが、健全な民主主義にとってのルールのはずが、ベルルスコーニは健気にも居直り続けた。

そんなベルルスコーニにノーを突きつけたのは、連立相手の政党幹部、これに与党の閣僚まで加わって不信任決議を突きつけた次第だったが、名うての権謀術数家で知られるベルルスコーニのこと、次々と反対派を懐柔して、かろうじて不信任を免れた。

これに気持ちの治まらないのが学生たちだった。彼らはもともと教育予算のカットをめぐってベルルスコーニ批判を強めていたが、議会が不信任決議をするとあって、国会周辺に集結し、気勢を上げながら応援デモをした。

ところが不信任の不成立が伝えられるや、学生たちのなかには怒りの余りに暴徒化するものが現われ、彼らにつられる形で、大勢の学生が暴れだした次第だ。とりわけベルルスコーニの邸宅がある通り沿いには大勢の学生が押し寄せ、駐車中の車をひっくり返したり、店に放火をしたり、警察官に襲い掛かって殴打する始末。一報に寄れば、100人近い人びとが怪我をしたということだ。


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