哀悼のブルース Funeral Blues :W.H.オーデン

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W.H.オーデンの詩「哀悼のブルース」 Funeral Blues(壺齋散人訳)

  時計をとめろ 電話線を切れ
  犬に骨をやって吠えるのをやめさせろ
  ピアノもドラムも黙らせろ
  棺を運び出して哀悼の意を表せ

  飛行機に空を旋回させて
  雲で文字を書かせろ 「やつは死んだ」と
  鳩の首に喪章のリボンを巻きつけろ
  交通整理のおまわりに黒い手袋をはめさせろ

  やつは俺の北であり南であり東であり西だった
  俺の労働日であり俺の休息日だった
  俺の真昼俺の夜中俺の話俺の歌だった
  俺はそれが永遠に続くのだと勘違いしてたんだ

  もう星はいらないから片付けてくれ
  月も太陽もお払い箱だ
  海を干上がらせ森を坊主にしろ
  もう何もいいことなどないのだから


この詩は最初に発表された1936年には5スタンザからなっていたが、1038年に4スタンザに書き改められ、第三スタンザ以降は大幅に変更された。

詩のテーマとなっている葬式が、具体的に誰のものをさしているのかについては、明らかではない。ただ5スタンザからなるオリジナルな形のものが、彼の1936年の戯曲 The Ascent of F6 と関連を持っていることは明らかだ。

4スタンザからなるこの形の詩に、ベンジャミン・ブリトンが曲をつけ、ヘドリ・アンダーソンが歌った。


Funeral Blues By W.H.Auden

  Stop all the clocks, cut off the telephone,
  Prevent the dog from barking with a juicy bone,
  Silence the pianos and with muffled drum
  Bring out the coffin, let the mourners come.

  Let aeroplanes circle moaning overhead
  Scribbling on the sky the message He is Dead.
  Put crepe bows round the white necks of the public doves,
  Let the traffic policemen wear black cotton gloves.

  He was my North, my South, my East and West,
  My working week and my Sunday rest,
  My noon, my midnight, my talk, my song;
  I thought that love would last forever: I was wrong.

  The stars are not wanted now; put out every one,
  Pack up the moon and dismantle the sun,
  Pour away the ocean and sweep up the woods;
  For nothing now can ever come to any good.


関連サイト:英詩と英文学





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