インターネット百科事典ウィキペディア Wikipedia が誕生して10年になるそうだ。筆者などはほとんど毎日のように世話になっているので、これを節目にいっそうの充実が図られるよう願ってやまない。それほど、現代文明の中で確固たる地位を占めるに至ったということだろう。
もっとも最初からそうだったわけではない。誰でも簡単に記事を投稿できるという性格から、スタートした頃は、不正確な記事やスパムまがいの記事も多かった。だが、そうした記事はだんだん淘汰され、いまでは高い信頼性が売り物になってきている。イギリスの科学雑誌「ネイチャー」が2006年に行った調査でも、エンサイクロペディア・ブリタニカにひけを取らない充実振りだと評価された。
ウィキペディアはジミー・ウェールズ Jimmy Wales さんが個人的に始めたサイトだが、いまでは巨大なサイトに成長した。記事数は2600万本以上で、約250の言語をカバーしている。
これだけ巨大なサイトだと、維持するために膨大なエネルギーと資金が必要になる。ウィキペディア財団では、ネット広告などに頼らず、すべてを寄付でまかなう姿勢だ。財団の事務局長スー・ガードナー Sue Gardner さん(写真:AFP提供)によれば、2010年度も目標の1600万ドルを達成した。今後もこの姿勢をつづけていきたいそうだ。
ところで、この百科事典を支えている執筆人の特徴を一言で言えば、「数字の細部までこだわる几帳面な人」ということになる。こういう几帳面さが、百科事典としての正確性を支えているのだろう。
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