北朝鮮で数百人規模のデモ

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韓国紙「朝鮮日報」の電子版が、北朝鮮で数百人規模のデモが発生し、市民四、五人が死亡したようだと報道した。

発生したのは中国国境の都市新義州で、十八日頃のこと。市場で商売をしていた男を警察官が殴って意識不明の怪我をさせたことがきっかけで、治安部隊と住民が衝突した。

新義州は北朝鮮にとっては外に開かれた唯一の場所、中国のテレビ放送がみられるほか、中国内にいる脱北者が北朝鮮内の家族と携帯電話で話すこともできる。そんなところから最近の中東情勢など海外の動きが北朝鮮人民に伝わることもある。

中東の内乱や中国でのデモ呼びかけの動きが伝えられるなかで、北朝鮮当局はこの国境の町の動向に神経を尖らせていた。市場の警備も格段に強化され、その延長上で、警察官と住民との衝突がおきたのだろう。

北朝鮮でこんなに大規模なデモがおこることは非常に珍しいが、住民による小さな示威行動なら、最近は方々で起きている。どれも、食糧難や燃料不足による生活不安を背景にした、切羽詰ったものだと思われるが、いまのところ組織だった動きにはなっていない。

今回の騒ぎも、住民の生活上の不安が、警察権力の高圧的な弾圧にむかって爆発したもので、中東や中国のデモの動きに触発されたものではないと見られる。

だがそうした生活上の不満が体制に向けられ、大規模な反乱に発展することは、十分にありうる。金正日も、そこのところを心配して、住民による反乱が起こったときには、いち早く弾圧できる体制を作るように、治安当局に命じたようだ。(イラストは朝鮮日報から)


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