狭まるカダフィへの包囲網:政権は崩壊寸前

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リビアの内戦が最終局面を迎えつつある。東部の諸都市に続いて、ザウィーヤなど西部の諸都市も反政府派が掌握、首都トリポリにも反体制派の勢力が及ぶようになった。

カダフィはあらゆる手段を投じて徹底抗戦を続けるといっており、その言葉通り、反体制派への攻撃は常軌を逸した自国民大虐殺の様相を呈している。これまでに政府側によって殺された人の数は数千人規模に及ぶとの説もある。

だが権力者による国民の虐殺が、国民の怒りを爆発させた。国民によるカダフィの包囲網は次第に狭まり、本丸に及ぼうとしている。カダフィが吊るされる瞬間は、いまやカウントダウンの段階に入ったようだ。

反体制派の一部には、アブドル・ハフィズ・ゴカ(Abdel Hafiz Ghoqa)氏を中心に、カダフィ後の国のあり方について協議の動きがあるという。

氏は「解放されたリビアの全ての都市において、国家評議会の発足を発表した」と宣言。評議会は、正式な政府が樹立されるまで暫定的にリビア国家を代表する機関となるもので、現在、評議会のメンバーや権限などを協議しているということだ。

そのほか前法相ムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)氏による新政権構想などもあり、今後新政権の樹立に向けて、国民がどのように統合していけるかが課題となる。

というのも、リビアはこれまでカダフィによる個人支配のもとで、国民国家として一体となっておらず、部族間の溝が非常に大きい。それ故新たな国づくりにあたっては、部族間の対立を乗り越えて、国としての一体性をいかに作り上げるかが、カギとなる。(写真はザウィーヤの市民たち:ロイター提供)


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