福島の原発事故世界を揺るがす

| コメント(0) | トラックバック(1)

110321.no-thanks-epa.jpg

福島の原発事故は、原子力発電の安全性への疑問を、改めて世界中に突きつけた。ドイツのメルケル首相はいち早く、自ら決定していた国内原発施設の稼動延長措置を停止することを決めた。

メルケル首相は「日本で起こった出来事は、これまで絶対ないと考えられてきたリスクが絶対ないとは言えないという事実を教えてくれている。たんにこれまで通り、このまま進めることはできない」と延べ、原子力発電そのものの是非を再検討することも示唆している。少なくとも、1970年代に建設された発電所は、そのまま閉鎖される可能性が高い。

一方、オバマ大統領が地球温暖化対策の切り札のひとつとして推進を決めていたアメリカの原発政策も、大きな見直しを迫られる可能性が高い。

ニューヨーク・タイムズなどは、万全と思われていた日本の原発事故対策でさえ盲点を付かれた形で大惨事につながったことを指摘し、アメリカも原子力発電をとりあえず停止し、ゼロから徹底した見直しをすべきだと訴えている。これは、アメリカ人の大方の意見を反映したものだと受け取れる。

フランスほか西欧諸国でも、原発政策の見直しは避けられない勢いだ。

これから本格的な原発建設時代を迎える中国にとっても、福島の事態は深刻に受け止められている。もっとも中国では、にわかに原発をストップしようという動きは、まだ起きていないようだ。

こうした騒ぎの張本人たる日本においては、今は目前の危機を乗り切るのに精一杯で、今後の原子力発電政策について考えるゆとりはない状態だ。しかし、いずれ抜本的な見直しを迫られることは避けられまい。(写真は原発の廃止を求めるドイツの人々のデモ:EPA提供)


関連記事:
横浜で大地震に遭遇す:東日本大震災の記録
東日本大震災
福島原発炉心溶融(Meltdown)を巡るプラウダ記事
困難を極める救出作業:東日本大震災
日本の原子力危機(Nuke Crisis)





≪ 日本の原子力危機(Nuke Crisis) | 東日本大震災 | 見えない恐怖:放射性物質 ≫

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://blog.hix05.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/2997

放射能から家族を守る 便利な災害対策グッズ - 東電「水で冷却限界なので、冷房で冷やして... (2011年4月18日 17:13)

1:忍法帖【Lv=22,xxxPT】(兵庫県):2011/04/18(月)14:21:38.13ID:7l0VvZeN0●?2BP(79)東京電力福島第1... 続きを読む

コメントする



アーカイブ

Powered by Movable Type 4.24-ja

本日
昨日

この記事について

このページは、が2011年3月16日 19:52に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「藤原保昌朝臣、盗人袴垂に値へる語:今昔物語集巻二十五第七」です。

次のブログ記事は「見えない恐怖:放射性物質」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。