想像を超える被害をもたらした東日本大震災、自衛隊を中心にした政府関係機関の救援隊のほか、アメリカなど海外の援助組織を含めた膨大な数の人々が現地に入って、懸命な救助活動を続けている。その甲斐があって、一昨日には70歳台の男女が92時間ぶりに救出され、そのしばらく後には20台の男性が96時間ぶりに救出された。
しかしこれらの事例はごく例外で、四川省やハイチの場合とは異なり、瓦礫の下で生きていた被災者はほとんどいなかった。津波によって海に流されてしまったと推測されるのだ。
こんなわけで、このたびの救援組織にとっては、津波の結果周囲が水没するなどし、孤立して動けない人々を安全な非難場所に移すことが中心となった。だが厳しい寒さの中で救援を待っている人々にとっては、一刻を争う。
生き残っている人を救うことと並んで大事なのが、犠牲者の遺体を収容することだ。
今のところ(3月17日午後)、収容された遺体の数は5000を越えた。そのうち身元が確認されたものは約2000体、うち870体が遺族に引き渡された。
関係機関に届出のあった行方不明者を加えた死者・不明者の合計は1万4000に上る。このほかに、津波に飲み込まれたまま安否が確認できない人々が、石巻で1万人、南三陸町で8000人、女川で5000人いるといわれる。最終的な死者の数がどれくらいになるのか、今のところ見当もつかない。
被災地にはいまだに孤立して救出を待っている人が数千人いる。現地では雪が降り始め、寒気が厳しくなっている。時間との戦いがまだまだ続く。(写真はロイターから)
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