東電福島第一原発事故は、放水作業や電力施設の復旧作業が進み、最悪の事態を脱しつつあるようだ。
21日現在、1号機、2号機への外部電力の通電が成功し、冷却機能が働いていた5号機、6号機にも外部電力が通じたことで、一層事態が安定するようになった。3号機、4号機には引き続き放水が行われて、放射線漏れが減少してきたところに、外部電源の通電も22日中には成功しそうな見通しだ。
今後は個々の機械がどんな状況になっているか調査・復旧しながら、徐々に外部電源を行き渡らせ、原子炉にとって最も重要な冷却機能を早期に回復させることが課題となるが、とりあえずは、全面復旧にむけて、一条の光がさした状態だといってよいかもしれない。
これには、自衛隊をはじめ、現場で緊急事態と格闘してきた人々の、命を懸けた努力があったことを忘れてはならない。
とりわけ東京消防庁の皆さんの努力には頭が下がる思いだ。彼らは必ずしも原子力の専門家ではなく、いわば手探りの努力の中で、困難な放水作業を実施して、3号機の状態を安定化させてくれた。その努力に深く敬意を表したい。
今の段階では、まだ道半ばといったところであり、冷却システムの回復をはじめ原子炉を安全な状態にするには、乗り越えねばならないいくつもの関門が待ち構えている。だが命をすり減らすような努力をしてここまで来たのだから、これから先も最後まで頑張ってくれるだろう。
それにしても、一時はどうなるかと肝を冷やしたが、行手に何とか光が見えてきた気がして、うれしい限りだ。
なお、この原発施設は廃炉する方向で検討されているようだ。
ここに限らず、日本中に存在するすべての原発施設について、廃炉を含めて、安全性に関する議論が巻き起こることは避けられないだろう。(写真は福島第一原発:共同通信提供)
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