2011年4月アーカイブ

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中国の2010年国勢調査結果の概要が公表された。それによれば、2010年10月現在中国本土の人口は13億3900万人。前回の2000年調査では12億6500万人だったから、この10年間で7400万人も増えた勘定だ。ヨーロッパなら大国が一つできる計算になる。

内閣参与と云えば、時の政権にとっての知恵袋、総理大臣とは何重もの信頼関係によって結ばれている、国民の誰もがそう思っているところだろう。だからその任に当たるものが、総理大臣に辞表を突きつけるというのは、並大抵のことではない。その並大抵では考えられないことが、菅政権のもとで起こった。

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チュニジアのジャスミン革命に始まり、あっという間に20か国に使い国々に広がった民主化運動は、国によってさまざまな展開を見せている。チュニジアやエジプトのように民主化運動が勝利し、独裁者が倒されたところもあれば、リビアのように独裁者が武力を以て命運をつないでいる国もある。そんな中で、民主化運動が最もひどく粉砕された国はバーレーンだろう。

中部電力の水野社長は、点検中の浜岡原発第三号機を今年の7月にも再稼働させたいと、記者会見の場で正式に表明した。「株主、投資家に業績予想という物差しを示す責務がある」からだそうだ。「安全性については十分確認している。さらに安全性を確かめるために緊急の津波対策も実施する」と付け加えた。

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この前の日曜日(4月24日)、久しぶりに東京を描く市民の会のスケッチ大会に参加して、目白界隈の歴史的建築物を見て歩いた。

村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」は、デレク・ハートフィールドという謎の作家を紹介することから始まる。

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人の出生を云々して誹謗・中傷することをバーセリズム(Birtherism)というのだそうだ。いま、これの最も大きなターゲットになっているのは、オバマ大統領だ。彼を毛嫌いするアメリカ人は、保守派を中心に多数いるが、彼らがオバマ氏を攻撃する最大の論拠は、オバマ氏はアメリカで生まれたのではないのだから、アメリカの政治にかかずらう資格はないというものだ。

ピエール・ド・ロンサールの詩から「墓碑銘」Pour son tombeau(壺齋散人訳)

  幼き頃より奔放なりしロンサールここに眠る
  ヘリコン山よりミューズをフランスにお誘いし
  アポロの矢を放ちリュートの調べを奏でた男
  されどかのミューズも死神の催促にはかなわず
  ロンサールはむごくも墓に葬られることとなった
  彼の魂は神に 彼の体は大地に返すこととしたい

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4月26日は、あのチェルノーブィリの事故(Авария на Чернобыльской АЭС)からちょうど25年目にあたる日だ。折から日本の福島で、チェルノーブィリ(Чернобыль)と同じレベル7の大事故が発生し、今もって収束の見込みが立っていない。

バラの銀河

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ハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げ21周年になるのを記念して、NASAが面白映像を公開した。名づけてバラの銀河。(写真:NASA提供)

杭州は五代十国時代地方政権呉越(907-978)の都があった。そこで蘇軾は戦国時代の呉越抗争を思い出し、西湖に西施のイメージを重ねた詩を作った。

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上の写真(AFP提供)をみて、筆者は考え込んでしまった。これはシリアでの光景。両手を後ろ手に縛られて、路上に転がされているのは、政府軍によって拘束された反体制派の人々だ。

毎日新聞モスクワ支局の田中洋之記者が、ロシアの2010年国勢調査の中間結果を、エコノミスト誌上で紹介している。総人口は1億4290万人で、2002年国勢調査より220万人減少した。ロシアの人口は1995年の1億4850万人をピークに減少に転じていたが、その傾向が今でも続いていることを物語っている。

 今は昔、利仁將軍という人があった。若い頃は、某という名の関白に仕えていた。越前の國の某の有仁と云う金持ちの聟であったので、いつもは彼の國に住んでいた。

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表はG7諸国の租税公課負担率(対GDP比)を表したもの、ポール・クルーグマンのブログの記事に添付されているものだ。フランスがもっとも高く(50パーセント近い)、日本がもっとも低い。アメリカは、日本についで低く、30パーセント台の前半だ。

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ブリューゲルの版画制作活動を締めくくるのは、七つの大罪シリーズと七つの徳目シリーズと題した二つのシリーズものである。キリスト教徒にとっての、プラスとマイナスの倫理的な課題を現しており、古来宗教画と並んで、画題として取り上げられることの多かったテーマだ。ブリューゲルは、版画商のコックに依頼されて、この二つのシリーズを取り上げたのだと思われる。

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数年前に描いた月島の風景画「月島の古家」を描きなおしてみた。以下は、最初の絵に添えて書いた文章である。

W.H.オーデンの詩「夜の散歩」A Walk After Dark(壺齋散人訳)

  こんなにも雲のない夜空は
  退屈な一日を過ごした後では
  心を浮き浮きさせてくれる
  その緻密な星の分布が
  ちょっぴり退屈な18世紀の
  流儀みたいで印象的だ

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アシカの類を英語では Sea Lion という。だがその表情や生態はライオンという名前にはふさわしくない。たしかに肉食性の動物で、ペンギンを襲って食ったりもするが、どちらかというとおとなしく、人間にもよくなつく。その習性を利用して、水族館ではアシカショーが催され、人気を博している。

先日福島の原発事故がもとで、千葉県の船橋市に避難してきた子どもたちが、地元の子どもたちから、放射能を理由に相手にしてくれないといった、差別に類する行為をうける事態が発生した。親たちは、子どもたちを理不尽な目に合わせたくないといって、家族ともども福島県に帰っていったそうだ。

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米誌TIMEが最も影響力ある100人の2011年版を公表した。そのなかに世界のリーダーたちに混じって二人の日本人が含まれている。福島県南相馬市長桜井勝延氏と、南三陸町で巨大な津波被害を蒙った公立志津川病院の医師菅野武さんだ。

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能「鉢木」は、鎌倉幕府五代執権北条時頼の廻国伝説に託して、武士の意地を描いたものだ。

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著名な報道写真家が二人、リビアで戦闘光景を取材中に、リビア政府軍の砲撃を受けて死んだ。

東日本大震災の被災地にも桜の花が咲いて、新学期が始まった。しかし多くの学校では、どうやって授業環境を整えられるか、いまだに模索が続いている。学校そのものがなくなってしまったところが数多くあるほか、残った学校では、いまだ多くの避難者が、教室などで不自由な生活を強いられている。

ピエール・ド・ロンサールの詩「死のソネット」Je n'ay plus que les os(壺齋散人訳)

  わたしはもう骨ばかりの骸骨の標本にすぎない
  肉は削げ落ち 神経も筋肉も瞳もついていない
  無慈悲な死神がわたしに取り付いたのだ
  もはや慄かずに自分自身を見ることができぬ

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先日、北京郊外で五百数十匹の犬を輸送していたトラックが動物愛護団体によってゆく手を阻まれたうえ、運転手が100名あまりの活動家たちによってとりかこまれ、大騒ぎになったことがあった。(写真はAPから)

熙寧四年(1071)十一月、蘇軾は任地杭州につく。銭塘江の河口近くの北岸に位置していた、後に南宋の首都となるこの都市は、蘇軾が着任した時にも大都市であり、しかも美しい街だった。

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今回の福島原発事故は世界中の原発推進運動に冷水を浴びせかけ、ドイツなどでは原発から脱却しようとする動きがでているほどだが、日本では、今後の原子力政策はどうあるべきかについて、いまだ本格的な議論は始まっていない。というより、これほど深刻な被害を受けたというのに、原子力政策を見直そうという動きそのものが、高まっていないというのが現状だ。

今は昔、三河の国のある郡司が妻を二人持ち、それぞれに養蚕をさせていた。ところがどうしたことか、本妻のほうの蚕が皆死んで、ものにならなかったため、夫は気味悪がって近づかなくなり、従者たちも近づかなかった。それゆえ家は貧しくなり、妻はただ二人の従者とともに、心細く暮らしていた。

東電が福島第一原発の事故処理の見通しについて、工程表を発表した。被災者を中心に国民の間に沸騰している不安と疑問に対し、一定の見通しを示したい、そんな政府の思惑を受けた形でのことだったと思われるが、内容はともかく、その実現可能性についてはシビアな見方をする人が多い。

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NHKスペシャル「ホットスポット:動物たちの最後の楽園」第三回目は、オーストラリアの不毛の大地が舞台だ。アフリカの砂漠と並んで、地球上でもっとも乾燥したこの大地にも動物たちは生きている。その主人公は有袋類、赤カンガルーをはじめ150種類に上る有袋類が、観察されている。

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最後の審判は、中世のヨーロッパ人にとっては、もっとも関心のある主題だったに違いない。この世の終わりに際して、自分にどのような審判が割り当てられるかは、なににもまして切実な、魂の可能性の問題だったからだ。

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人間にはどれくらいの長さの睡眠時間が必要なのか。一昔前までは、4時間乃至5時間で十分だという説も流通していた。日本のことわざに四当五落というのがあるが、これも睡眠に関する経験的なデータをもとにしていたのではないかと思われるし、ナポレオンに至っては一日に三時間熟睡できれば、高度に知的な生活を維持できることができたといわれる

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ミツバチが大量に消滅する不思議な現象は2006年頃に本格化し、このブログでも取り上げたことがあるが、その後の研究で、ウィルスが原因であることがほぼ解明された。問題はこのウィルスがどのようなルートを通じて、ミツバチの集団の間で感染し、大量消滅の事態を拡大させるかということだった。

W.H.オーデンの詩「おれのいうことがわかるだろう」If I could tell you(壺齋散人訳)

  いったとおりだろう 世間は何も言わないって
  自分の役目を果たしていればそれでいいのさ
  おれのいうことが わかるだろう

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日本政府は、福島原発の事故現場で働く作業員の健康状態を、将来30年間にわたってチェックすると決定した。放射能の被ばくが人体にどのような影響をもたらすか研究し、医療上必要な場合に、必要な措置がとれるようにするためらしい。

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福島第一原発の事故を受けて、世界中で原子力発電所の安全性に関心が集まっている。この機会に原子炉の安全対策を徹底的に見直そうとする動きもある。そんななかで、いま最も注目されているのが、アルメニアのメツァモール(Metsamor)原発だ。(上の写真:AFP提供)

twitter を開始

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facebook に続いて twitter を始めた。このブログが更新されるたびに、twitter の記事に反映されるように、設定してみた。どれほどの反響があるか、様子を見たい。

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日本有数のマグロ漁港塩釜に、東日本大震災発生後始めて、マグロが水揚げされた。(写真はKYODO)

川本三郎氏といえば荷風の大ファンとして知られている。大著「荷風と東京」は、氏の荷風への思い入れがぎっしりと詰まった労作で、荷風という人物像に新しい光を当てるとともに、荷風が生きた東京について、素晴らしい情報を提供してくれる。この本は一時記大流行した「東京論」ブームに火をつける役割を果たしたのだった。

ピエール・ド・ロンサールの詩から「エレーヌへのソネット:キスして」(壺齋散人訳)

  キスして ほおずりして 抱きしめて
  息を吹きかけてわたしを暖めて欲しい
  何度も何度も限りなくキスして欲しい
  愛には限度もきまりもないのですから

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日本政府が福島原発事故を、チェルノーブィリと同じレベル7に引き上げたことについて、ロシアの原子力専門家キリエンコ氏が痛烈に批判している。

東大のロバート・ゲラー(Robert Geller)教授が日本の地震学を厳しく批判した記事を、科学雑誌NATUREの電子版に寄稿している。(日本の地震学、改革の時)

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昨日(4月12日)、日本政府が福島原発事故のレベルを7に引き上げたことに伴い、菅総理大臣の記者会見が行われたが、そのことに関して、ニューヨーク・タイムズが批判的な論評を載せている。Japanese Officials on Defensive as Nuclear Alert Level Rises

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日本政府のやることには、どうも理解に苦しむところがある。今回、福島原発事故の深刻度評価をチェルノーブィリと同じレベル7に引き上げたこともそうだ。

弟と頴州で別れた蘇軾は、淮河、江沢湖を経て、大運河を下って揚州に至り、そこから長江をわたって対岸の鎮江に至った。鎮江には名勝金山寺がある。蘇軾はこの寺に立ち寄って、一片の詩を詠んだ。

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「駿河台の台地にニコライ堂が建ったのは明治24年のこと、洋館そのものが珍しかった当時にあって、天に聳えるが如きドームをいただくこの教会建築は多くの日本人の度肝を抜いたに違いない。日本の建築史に名を残したコンドルの設計になるもので、その形の美しさから、画家たちも好んで描いてきた。実像以上に風格を備えた建物だといえる。

今は昔、土佐の國幡多の郡というところに、ある百姓が住んでいた。その百姓は自分が住んでいる浦ではなく別の浦に田を作っていた。

ここまで図々しくなれる人間もいるものかと、筆者はあいた口がふさがらなかった。東京電力の清水社長のことである。

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東日本大震災が発生してからちょうど一か月たった。一か月たったというより、一か月になるというほうが適切に聞こえようか。被害の全容はいまだ明らかになっておらず、福島原発の周囲20キロ圏内は、被災後救助の手も入らず、時間が止まったかのように、何も動いていないからだ。

2010年4月に当時のポーランド大統領カチンスキーをはじめ90人以上のポーランド人を乗せた飛行機がスモレンスク付近で墜落し、全員が死亡した事故からちょうど一年たった2011年の4月9日、コモロフスキー現大統領のアンナ夫人が遺族の一行を連れて現地を訪れたところ、信じられないようなことが起こっていた。

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プーチンの与党「統一ロシア」の広告塔のような役割を果たしてきたプリマ・バレリーナのアナスターシヤ・ヴォロシコーヴァ(Анастасия Волочкова)が、プーチンに向かって公然と反旗を翻し、野党の味方をすると宣言した。

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「冥府へ下るキリスト」は「ニコデモによる福音書」の中で取り上げられている物語で、キリストが冥府へと下り、アダム以下キリスト以前に生きていた人々を救済するという内容のものだ、中世には魂の救済の話として人気があったらしい。

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2011会計年度の歳出削減を巡って民主、共和両党の間でチキンレースが繰り広げられ、このままでは15年ぶりの政府閉鎖(Government Shutdown)かと懸念されたが、オバマ大統領と共和党のベイナー下院議長との間で妥協が成立し、政府閉鎖はぎりぎりで回避されることとなった。

リベラルと保守主義とは互いに相容れないほど対立するケースが多いが、それは世界観の違いから生まれるものであり、更に遡れば人間の脳の構造に由来するとする仮説が、イギリスの神経科学研究グループから発表された。Political Orientations Are Correlated with Brain Structure in Young Adults By University College London Institute of Cognitive Neuroscience

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写真(ナショナル・ジオグラフィック)はメコン川流域に生息するメコンオオナマズ、ナマズの仲間の中では最大級で、体長が2メートルを超える。こんな巨大なナマズなら、地震を起こす力を持っていても不思議ではない。

W.H.オーデンの詩「無名の市民」The Unknown Citizen(壺齋散人訳)

  統計局によればこの男は
  問題となるような行動を起こしたことはなかった
  あらゆる資料が一致して認めている通り
  古めかしい言葉で当世風にいえば 申し分がなかった
  彼はあらゆる点において模範的な市民だったのだ

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カレンダーと云えば普通、年末に配るというのが常識だが、あえてこの時期に配布されることとなったカレンダーがある。プーチンの私的親衛隊として知られる若者団体「ナーシ(Наши)」が作成したものだ。タイトルには「セックスは汚職の敵(Sex against Corruption)」とあり、セクシーな女性たちが汚職役人を糾弾するという勇ましいデザインが施されている。(写真はAFP)

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4月7日、韓国のソウル首都圏では雨が降ったそうだ。それにともなって首都圏の京畿道教育庁は、幼稚園・小学校130校の校長に対して臨時休校を勧告したという。福島原発の事故現場から放出されている放射性物質が雨となって児童たちの頭上に降り注ぐのではないか、そんな心配から出た、やむにやまれぬ措置ということらしい。

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昨日(4月7日)の深夜、寝入りばなだった筆者は、地震の強い揺れに驚かされて布団を飛び出した。強い横入れが、かなり長い時間続いた。幸い家具が倒れるなどの被害はなかったが、気味が悪くなるほどの強い揺れだ。急いでテレビニュースを見ると、震源は宮城県奥で、規模はマグニチュード7.4、仙台などでは震度6強を記録し、かつ津波の可能性もあると伝えていた。

白石良夫著「最後の江戸留守居役」(ちくま新書)は、依田学海の日記「学海日録」から、学海が佐倉藩の江戸留守居役として過ごした慶応三年から明治二年にかけての、二年間にわたる記事を取り上げ、それを丹念に読み解くことを通じて、薩長はじめ勝者の側ではなく、敗者の側から見た明治維新の歴史的な意義について、考察しなおしたものである。

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中東のジャスミン革命が中国に波及するのを恐れた共産党政権は、国際社会の非難をよそに、なりふり構わず人権活動家を弾圧している。作家の冉雲飛氏が国家政権転覆罪容疑で拘束されたほか、唐吉田、浦志強、滕彪ら人権派弁護士などが身柄を拘束された。

ピエール・ド・ロンサールの詩「エレーヌへのソネット第49番」(壺齋散人訳)

  あなたが愛の神に導かれて広間に降り立ち
  美しい愛のバレーを巧みに踊ったとき
  あなたの瞳の光があまりにも明るくて
  あなたの周りは夜が昼に変わったほど
 

このたびの大震災は動物たちにとっても試練だった。逃げ遅れて津波に呑まれたペットは夥しい数になると思われる。飼主は、自分が逃げるのに精一杯で、ペットを救う余裕もなかっただろうから、いたし方のないことといえよう。

熙寧元年(1066)父蘇洵の喪が明けると、蘇軾は亡妻王弗の従妹閏之を娶り、十二月には家族および弟の蘇轍らとともに都の開封に向かった。そんな蘇軾を待っていたのは、新旧両法の抗争であった。蘇軾は王安石と意見が衝突し、中央にいては身の危険が及ぶことを恐れ、地方転出を自ら申し出た。

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桜の花が開いた。日本中の小中学校が入学式を迎える。だが東日本大震災の被災地では、数百に上る学校が再建できないでいる。幸い被災を免れた学校も、避難所として使われ、教育機能を回復できないものが多い。こんな状態の中で、被災地の子供の教育をどう保障していくのかが、重い課題となっている。

ついに、ここまでやるかと感じたのは筆者ばかりではあるまい。東電が放射能汚染水を直接海に放出したという話だ。

今は昔、京から東へ下っていく者があった。どこの国とも知らぬある里を通りがかったとき、俄かに性欲が高まって、女と何をしたいという欲情が燃え盛り、とても静まるどころではなくなった。たまたま道沿いの垣根のうちに、青菜の畑があって、盛んに生い茂っていたが、十月ばかりのことだったので、青菜の根っこが大きな蕪に成長していた。そこで男は馬から下りて、蕪の大きいのを引っこ抜くと、それに穴をあけ、そこに自分の陽物を突っ込んで射精した。男はようやく性欲が鎮まると、用済みの蕪を垣根の中に投げ捨てて、過ぎ去ったのだった。

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急に暖かくなって東京のあちこちで桜が咲き始めたというので、昼休みに市ヶ谷の土手に行ってみると、案の定春風を受けて咲き始めていた。すでに五部咲きといったところか。

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「忍耐」と題したこの作品は、一種の寓意画である。ブリューゲルは七つの大罪シリーズと七つの徳シリーズの中で寓意画の世界を展開しているが、これはその先駆けとなる作品だ。

東日本大震災では、最高43万人の人々が2000箇所近い避難所に避難した。避難所の中には、周囲から孤立し、必要な物資がなかなか届かないところもあった。(写真は避難所の様子:ロイター)

東日本大震災では、被害が余りにも巨大であるために、救援の規模も巨大になった。自衛隊の災害出動は、定員の半数を超える10万人以上に規模に達した。まだ全国から消防などの救援組織が駆けつけたほかに、一万人を越える在日米軍をはじめ、各国から救援隊が集まってきた。

しかし、救援隊が瓦礫の中から助け出した人の数は限られていたようだ。数多くの人々が海岸に溺死体の形で見つかったほか、行方不明者のほとんどは、津波によって海に流され、遺体が見つからない状態だ。

上の写真は岩手県陸前高田(ロイター)

W.H.オーデンの詩「もうひとつの時間(Another Time)」(壺齋散人訳)

  我々は逃亡者と同じで
  数え切れぬほど多くの花々や
  時間を気にせぬ獣と同じように
  今という時間しか生きられない

東日本大震災は、マグニチュード9.0という日本の歴史上未曾有の激震と、それに引き続いて襲ってきた巨大津波によって、甚大な被害を蒙った。三週間後の調査結果で、死者行方不明2万8000人、このほか警察が把握できていない安否不明者が、万単位に上るだろうと推測されている。家屋などの物的被害の情況は、まだつかみきれていない状態だ。

上の写真は、被災直後の名取市、破壊のすさまじさに呆然とする女性(ロイター)

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東日本大震災は、桁外れに大きな規模からして、局部的な災害というよりは、国民的な大災害ということができる。中にはこれを1945年の戦災にたとえる論調もある。それは大げさすぎるとしても、阪神・淡路大震災の比でないことはたしかだ。

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能「箙」は、「田村」、「八島」とともに勝修羅三番と呼ばれている。通常の修羅者が、戦で死んだ主人公の恨みをテーマにするのに対して、勝修羅は勇壮な戦いぶりを描いていることから、徳川時代には、一種の祝言能として、人気があった。



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