モカシン(Au mocassin le verbe):ロベール・デスノス

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ロベール・デスノスの詩集「茹でられた言葉(Langage cuit)」から「モカシン(Au mocassin le verbe)」(壺齋散人訳)

  君は僕の代りにおとなしく死んでくれたね
  僕もいつか君の代りに死んであげるよ

  君も知っているあの理想の女性と愛し合い
  彼女の唇をおもむろに奪ってやりたいんだ
  そして多分雨となって彼女に降り注ぐんだ
  たとえ時節外れに良い天気の日でも

  僕らの目を見るのは辛いかもしれない
  そこにはわけもなく涙があふれているからね
  悲しいわけでもないのにね


この詩の中では、人称と動詞の変化が一致していない。そのことをわざと前面に出すことで、言葉には様々な次元が潜んでいるということを、主張しているようだ。


Au mocassin le verbe
E Langage cuit (1923) Robert Desnos

  Tu me suicides, si docilement.
  Je te mourrai pourtant un jour.
  Je connaîtrons cette femme idéale
  et lentement je neigerai sur sa bouche.
  Et je pleuvrai sans doute même si je fais tard,
  même si je fais beau temps.
  Nous aimez si peu nos yeux
  et s'écroulerai cette larme sans
  raison bien entendu et sans tristesse.


関連サイト:フランス文学と詩の世界





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