マンドリル(Mandrill)はヒヒ(Baboon)の仲間と見なされたこともあったが、今日では独立した種として認知されている。サルの仲間の中では、比較的数が多く、カメルーンからコンゴにかけての西アフリカの森林地帯に生息している。
写真(NATURE,PL)から見て取れるように、非常にカラフルな外見をしている。オスのほうがメスよりカラフルで、顔や尻の色がとりわけ目立つのは、メスへのアピールのためだろう。
オスはまたメスの倍ほどの大きさで、大きい個体には体重50キロほどのものもあるが、大部分は30キロ前後だ。
一頭のオスと、20頭ほどのメスおよびその子供とで集団を作っている。力の弱いオスはどの集団からも離れて、孤独に生きているケースが多い。
オスとメスの交尾については、メスのグループの中で自主的に順番がつけられる。原則として集団内の順位に従って、交尾の順番も決められる。
まずもっとも高位のメスがオスの前を歩いて尻を見せながら挑発する、するとオスはメスの後ろからマウンティングして交尾する、それが終わると次の順位のメスがオスを挑発する、こうしてオスの精力が続く範囲内で、メスたちは交尾にありつくというわけである。